宇高航路が終焉していた | 鉄道きさらんど

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いつも列車・バスなど公共交通の事ばっか考えてます。

自分は宇高連絡船華やかりし頃を知らないし、国鉄・JR以外の民営フェリーも何社もの事業者が競い合っていた全盛時代も知らないが、四国急行フェリーなら2014年と17年に乗ったことがある。が、やはりどちらの乗車の日もガラガラだったのが印象に残っていた。甲板で潮風を浴びながらゆっくり旅する感覚は確かに魅力的だがこれでは将来性がないなと思っていたが、本当に航路が全廃(建前上は休止だが)されるとは…。

地元民ではないので詳しい地域事情は分からないといえ、本四架橋は橋ができたら並行する航路は廃止するのが原則の中で、やはり瀬戸大橋開通から30年以上もっただけでも十分すぎるのではないかという印象がある。未来永劫続けるものではないのではないかと。大橋の通行料金の引き下げが航路を追い詰めたという見方の人もいるが、昔の通行料金が高すぎたというのもあるし、前述した理由もあって航路を運航するフェリー屋の経営に配慮して高速料金を決めるものでもないので、そういういい方には違和感がある。フェリーが残ったから瀬戸大橋の通行量が伸び悩んで、建設費の償還が遅れて利払いも含めると赤字が膨らみ、結局国民負担になっていたし、橋の赤字が通行しない人にもかぶせられていたということになる。四国急行フェリーにも地元自治体が補助金を出していたとのことなので、おおざっぱにいうと公共部門が橋と航路に余計な二重投資をしていたということにもなる。大げさに言えば間接的だが地元自治体以外のよその人も広くフェリーの赤字補てんを長年していたということにも…。

 

玉野と高松の2点を結ぶ交通手段がいるという意見はあるが、フェリーでこれからも直島乗り継ぎでの往来は一応できるし、玉野駅付近と高松駅付近の2点輸送なら大回りになるが瀬戸大橋経由の路線バスを仕立てればよかったんではないか。自治体が補助するにしてもフェリーよりよほど安上がりだろうし。

 

いろいろと辛口なことばかり書いてしまったが、船での景色を見ながらうどんを食べたのはいい思い出。ただうどんにしても、正直な話味が不味くはないが飛びぬけて美味しいというわけでもなく、舌の肥えている人にはやはり物足りないだろうし、例えば高松駅の連絡船うどんと比べてもあまり優位を感じなかった。日常利用ではなく観光で乗船自体が目的のニーズも取り込めなかったしやはり消えるのは必然か、と最後まで辛辣になってしまいました…。