結局は日常利用よりインバン優先ですか | 鉄道きさらんど

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JR西が21年以降のダイヤ改正で終電を繰り上げることは、働き方改革や小売り外食業界の深夜営業縮小の流れのある今だから言い出せたということだろうか。ネットでも案外好意的な意見があるし。

 

ただ今のところ鉄道業界でJR西日本の方針に追随するところはない。働き方改革云々という考えは全国のいろいろな分野に浸透しているのは同じなのに、首都圏の事業者は現状維持か、さらに終電を繰り下げる動きあるし…。JR西の場合実際に深夜帯の利用が減っているのも理由というが、やはり本音としては大阪経済の衰退で終電を繰り下げるのはもちろん、現状維持するモチベーションが起きなくなっているということだろう。鉄道保線作業員の労働環境のことにしてもこれも関西やJR西特有の問題ではないが、JR西は人手不足への対応として(別にJRが保線作業員を雇うのでなく建設会社に発注している)下請けにさらなる増員を促すための採用数や給料アップの原資となる保線委託費用の増額などではなく、今後の減員を所与の前提としてダイヤにしわ寄せがくるのをよしとするという姿勢も、関西の経済的実力低下と地元の企業の弱体化の表れと思えてならない。お金を積んだとしてもも関西は地場産業の衰退で東京などに若い学生や労働者が流出する一方で人手確保がうまくいかなさそうだが、そういう状況も含めてやはり関東より関西はどんどん経済活動や企業活動が細っている傾向にあるということがわかる。もともとJR西日本は本州3社の中でも分割の結果企業体力が弱い会社だが、それでもローカル線の無駄を徹底的に省力化する一方京阪神エリアなどではダイヤの充実化を図ったが、それも息切れしてしまったということで、平成になってから関西経済が弱体化してて、関西が地元のJRはもともと企業体力が心もとないのを何とか地元の活性化のためにあれこれとやってきたが令和時代にはもうそういう余裕もないというあらわれに見える。

 

しかし利用者には不便なものは不便でしかないだろう。滋賀など郊外のベッドタウンからでも遅い時間に帰れるのが売りだったはず(https://www.sankei.com/life/news/191127/lif1911270010-n1.html)が、それが不便になるとかなり広範囲に影響があるし、東京から出張やイベントや観光で新幹線で日帰りしても下り最終の新幹線にのって新大阪から和歌山や兵庫に帰れないということもありそうだとますます関西の衰退に拍車がかかりそう。日帰りしづらくなる(東京での滞在時間が短くなる)なら最初から関東に住めばいいとばかりに若者がますます流出していくのではないだろうか。それでもない袖がどうしてもふれない、夜中遅くに移動する需要がまったくなくなる予定ならいいが…。いっぽうでこの会社はよそから関西への観光利用は意識していて社長会見でも「今後の検討にあたっては(中略)夜の都市観光、いわゆるナイトタイムエコノミーについては今後の市中イベントや観光施設などの深夜営業の動向、といった要素も勘案していきます。」(https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/10/page_15168.html)というコメントがあるが、観光利用は考慮しても日常利用が不便になることは仕方ないと考えているようでは、いったい誰のための鉄道なのかとは思う。まったく企業に今までのダイヤを維持する余力がどうしてもないならともかく、クルーズトレインやイベント列車などお遊びやインバンへの対応にはいろいろ金をかけているのに、日常利用者へはさらなる減量ダイヤを強いるというのは本末転倒では?(ナイトエコノミー云々もインバンの話だし)まぁお大阪をはじめとした関西自体がが地場産業の振興や生活の改善より訪日客に遊び歩いて消費してもらうことばかり考えるという風潮だが。鉄道会社、JRではJR九州もインバンとかお遊び客のアトラクションみたいな列車には金をかけても日常ダイヤはどんどん不便になっていく傾向にあるが、東日本より地場産業が衰退している西日本では刹那的に観光対策ばかりという傾向が見てとれる。