イチコが憂鬱そうな表情で呟いた。
「…あー
時々やって来る『落ち込み』がきた…
お散歩、行こうかな…」
そう。
イチコは、気分のムラが激しいところがある。
きょうだいで談笑してたかと思うと
突然ムスッと不機嫌になったり。
生理が終わったところなので
PMSとは違うのか、何なのか。
まあ、そんなところがあるから
(課題に追い詰められて無意識に
親指の爪の周りの皮膚をむしってしまったり)
下宿時代、心配したんですけどね。
幸い、数日ぶりの晴天。
「この辺り、ちょっと行くと公園や
気持ちいい散歩道とかあるから案内するわ。
一緒に行こか。」
「いいの?」
… …
お昼前ということもあり
目的地は3km強 離れたショッピングモールに。
「わ〜。歩いて行けるんや〜」
ゆっくり話しながら、50分くらい歩いて到着。
その後はお茶しながら本を読んだり、
大型書店でそれぞれ目当ての本を探したあと
ウインドショッピングをして、
くたびれたので、帰りは電車で。^_^
少しは気分転換になったようでした。
つぼみふくらむ
数年前、
義父母の家に一家でお邪魔した時のこと。
イチコは夏休みで帰ってきてた。
オットはその頃三重で1人暮らしになっていた。
日曜の夜、義父母宅をお暇して大阪の我が家まで走り、
私と3人の子どもを下ろし、運転席から離れずに
そのまますぐ三重に帰って行った。
喧嘩が勃発したのは、家に入った直後。
ゲーム(Switch)のことでイチコとサンベエが揉め出した。
義父母宅で、イチコが「サンベエ、やりすぎ」と
ゲームを強引にやめさせたのだが、
「イチコのせいでデータが消えた」とサンベエ。
(イチコとサンベエは11歳違いです。
おそらく当時イチコ20歳、サンベエ9歳。
「年が離れてるから可愛くて/お姉ちゃん優しそうだし、
喧嘩しないでしょ?」と、よく言われますが
残念ながら、うちではあり得ません)
一番分別のない奴は誰だ
取りなそうとしたら、イチコが泣き出した。
「もういい!こんな家、出ていく!
伊丹のおばあちゃん、いっつも言う。
『イチちゃんとサンくん、ほんまに(顔が)そっくり!』って。
すっっごく嫌なのに。
あたし、サンの顔なんか大っ嫌い!!」
。。。
わたしは、ひとりっこですから
きょうだいのフクザツな気持ちは
理解しきれてないとは思いますよ。
でもね、、
ゆーて ええことと
わるいことがあるんちゃうん?
(心の声)
泣きじゃくりながら、いきり立って
家を出ていこうとするイチコ。
私は洗面所から遮断機のように
足をバーンと出して廊下を塞ぎ、言い放った。
(狭い家の狭い廊下ですから、足で塞げます)
「ちょーーっと待った。
──出ていくんやったら、三重に帰れ!
電話でパパ呼び戻して三重に行ってこい!
夜やし、土地勘もないのに、
ここで家出なんかさせへんで!!!」
足を遮断機にした私と
泣き怒りイチコの睨み合い
は、
3分くらいで決着した。
「…もういい。」
イチコは鞄を放り投げ、布団に潜り込んだ──
めんどくさいめんどくさい 大事なことはめんどくさい
翌朝からは
ふつ〜〜〜に、また3きょうだい わちゃわちゃと。
…こういう仲裁が良いのかどうか
私には良くわかりません。
ただ、女の子が夜に感情に任せて飛び出していくのは
阻止したかったので。
(イチコはこっちで学校出てないので、
当時は大阪に友達1人もいなかったし)
・
それにしても、だ。
なんで君らは揃いも揃って
「パパ」を出したら
「もうええわ」となるんだよ…