木佐上地区は、過去、度々洪水に見舞われてきた地域です。
轟・大舞・中尾という大きなダムと小さなため池が多数あります。
 この度、日本文理大学工学部の稲川教授の研究室で2年前から
開発を進めていた「ダム 水位監視システム」が轟ダムに設置され、
試験運用が始まりました。これは、IoTと言われる最先端のデータ
監視システムで、現在のダムの水位をパソコンやスマートフォン
などで誰でも手軽にグラフとして見ることができるものです。

 当初は河川の水位監視が最重要と思われていましたが、先生や
研究室の学生さんが、現場見学や打ち合わせを何回も繰り返す
中で、上流のダムの状態が急激な洪水に関係している事が分かり
ました。集中豪雨時には避けられない急激な洪水発生時の、緊急
避難の判断材料となる情報を得ることが、これまで見えなかった
情報であり、隠れた情報だったのです。

 本システムは、大学の研究室への共同実験場所協力として、轟ダム
で試験的に実施しているものですが、今後も河川防災として発展
の可能性があるものです。こうした防災観測システムは開発や
設置に莫大な予算が必要となるものですが、今回の実験では、
通信費以外の地元負担は一切なく、大変有意義なものです。
 特に、コストが殆ど掛からない状態でこうした最先端の技術を
投入した実験が行われる仕組みは全国的にも大変珍しいため、
この取組は、大分市河川課も一つのモデルとして注視されています。