ー冴、准、凌の会話ー
(あの雨の日の続き)
パソコンを持った准がダイニングテーブルに座る。
その後、快を寝かしつけた冴が戻ってくる。
ダイニングテーブルに座る2人。
ジャーッ!(トイレの水が流れる音)
トイレから戻り、姉たちと鉢合わせ。
気まずい雰囲気になりすぐ部屋に戻ろうとする凌。
姉たちはなぜ今更姿を見せたのかと話し出す。
准:「あんたずっと会いたがっていたもんね、だからあんな肩持つようなこと…」
凌:「は?別に会いたがってないし!」
凌の部屋の前で姉たちに反論。
准:「じゃあ聞くけど。あんた小2の時学校休んでゲームばっかしてたじゃない。仮病使って。」
凌:「仮病じゃないし!ほんとに頭痛かったんだから。」
准:「熱なんて全然なかったじゃない。ずっとゲームばっかりしてて。」
凌:「だからなんで会いたがってるって話になるんだよ!」
准:「だって。勇者の名前、クニオにしてたじゃない」
凌:「…お、覚えてないし!」
凌:「出てく前だろ、ドラクエ買ったのは!」
准:「出て行った後。母さんがあんたが元気ないから仕方なくドラクエ買ったんだもん。」
冴:「そっ。母さん知らないから私が代わりに買いに行ったんだもの」
准:「どうせあれでしょ。学校休んでれば母さんがあの人に連絡してくれるとでも思ってたんでしょ。」
准:「付き合うのもいいけどほどほどにしなさいよ。お金の無心なんかしてきたらきっぱり断りなさいよ。」
凌:「言ってこないだろ、仕事してるって言ってたし!」
准:「甘いわね。どうせバイトでしょ。あの歳だしそんなにシフト入れてもらえるわけないでしょ」
凌:「言ってきたとしても俺に貸す金なんてないよ!」
准:「あんたの心配してるんじゃないわよ!母さんの心配してるのよ!」
冴:「確かに。泣きつかれたら貸しちゃいそうだもんね、母さん」
准:「ねぇ、ちゃんと生活費収めてんの?」
凌:「は?なんだよ。」
准:ちゃんと納めてるかって聞いてんの!」
凌:「納めてるよ!」
准:「母さんに何かあったらあんたが面倒見るんだからね!」
凌:「わかってるよ!!俺だって色々考えてるんだよ!」
冴:「何よ。何を考えてるのか言ってみなさいよ」
凌:「もう30だし…。頑張ろうかなって」
はぁ…とため息の姉。
准:「何も考えてないじゃない」
冴:「何ひとつ中身なかったわ」
凌:「時期が来たら話すよ!!」
部屋に入りドアをバタンと閉める凌。
准:「時期って何よ!」
凌の部屋に入ってきて凌が座っている椅子を強く引っ張る准(笑)
凌:「時期は時期だよ!」
椅子を戻す凌(笑)
准:「大体30にもなってから頑張るって遅すぎだからね!」
また椅子を荒々しく引っ張られる(笑)
凌:「引っ張んなよ!」
(足ぴーんったなったり、椅子ごと回転しちゃったり、アドリブ多し。)
冴:「ねぇ。もしかしてあの人母さんに老後の面倒も見てもらおうって思ってるんじゃないかしら。」
准:「!!それありえるかも…」
凌を放置し冴と会話を始める准。
凌:「置いてくなよ!」
冴:「そう言えばあの経理の女の人とどうなったんだろ。」
凌:「今1人って言ってたよ!」
准:「ほらやっぱり!60過ぎて独り身でそれで老後の面倒を見てもらおうって魂胆…」
凌:「そんなの分かんないだろ!」
冴:「母さんが断れなかったらあんたがちゃんとしないといけないんだからね!わかってんの!?」
凌:「そんなの、その時の状況になってみないと分かんないよ!」
冴:「言っとくけど私たちは手助けしないからね」
凌:「わかってるよ!」
冴:「あんたはなんにもわかってない!」
凌:「なんだよまたそれかよ!もうやめないそのテの話!!」
いい加減嫌気がさして、声を荒げながらリビングのソファーに逃げ込む凌。
冴:「あーあ。なんかビールのみたくなってきちゃったー」
准:「わたしビール買ってくるわ。お姉ちゃん車の鍵かして」
冴:「そう?悪いわね」
冴と准は部屋を出る。
凌:「あーーーーーっ!!」
ソファーの背もたれにうなだれ、イラ立ちを見せる凌。
(この時、隣のダイニングテーブルには、父、国夫が入れ替えでビールを片手にスタンバイしてました。)
次は、父と初めての居酒屋、天狗でのシーン。
すごく印象に残ってる。