漫画ベルセルクを読んでから 概略でも知れたらと

古代ギリシャ世界から現代社会までにおける 悪魔の歴史

 

種村季弘(スエヒロ)さんの 【悪魔礼讃

 

西欧における悪魔のはじまりは ギリシャ時代のお酒の神様だと言われているけど

ギリシャ当時にはソレ以降の悪魔がもってる 陰湿で悍ましい感じはほぼ無い

ギリシャやローマの地域性だったとは言い難い 主神ゼウスが特大級な多淫奔放なのが大きいのかも

トップが何もかもやらかしながらも帝国全土に繁栄をもたらしている 悪魔に頼る必要がほぼ無い

でも キリスト教が布教され初めてからは別

秩序や戒律や受難やらとにかく縛られる それでいてドンドン衰退していく

「ソレら」以外の力を求めてしまうのは必然 反発や破戒の中にこそ未使用の力が蓄えられている

それを裏付けるように 神様と人間はずっと停滞し続けてた

ただただ既存の秩序を守ることだけに固執 動きがある・時間を動かしているのは悪魔だけ

この世に生まれたからには 己の才能を十二分に発揮し本分やら意義を求めて果たしていきたいのが人情

ソレを行わず黙ったままなのは 他人が本分を果たすのを邪魔するのと同じぐらいの悪行になるとか

悪魔やその崇拝者たちは 他人を虐げるも自分の才能を十二分に活用はしている

神様やその信者たちは 他人は虐げなくとも己を殺してしまっている

どちらにも非があり どちらも足を引っ張り合い続けてる……

そんな停滞期をすぎると 次は悪魔の方も秩序化されてきてしまう

神様への信仰と戒律の真逆を行う というルール

前時代はどれだけ血なまぐさかろうとも 自由な活力があった悪魔側

ここにきて反秩序という秩序に囚われて 形骸化してしまった……

神様も悪魔ですら固まってしまい どこにも活力が無い

なので 「秩序」そのものへの反発が始まる

善悪無関係に とにかくルールに従うことや作ることを唾棄する

秩序に群がってしまう人間の性を利用 その運動エネルギーを活用することに……

でもあまりにも使われ続けた 大移動させるまで待つことができず細分化していく

一度誘導されれば気づく人間もいる 取り込めば分け前が減り邪魔されれば無駄な消費がかさむ

そしてついに気づかれてしまう 自分たちは「秩序」が無くても生活できると……

 

悪魔の歴史を見てみると 日本の戦後バブル期から現代・60年間あまりの歴史とリンクしているような気がしてならない

大いに踊らされてきた みっともないぐらい再演してきてしまった……

ただ本家本元が千年間あまり四苦八苦してきた歴史を 60年ほどにまで凝縮してみせたのはスゴいことなのかも

とにもかくにも 悪魔は西欧社会と切っても切れない要素だった

ソレを克服するとはすなわち 自分たちのアイデンティティの否定にも繋がってしまう

どのように生まれ変わるのか それとも化けるだけに終わるのか……

できることなら 新しい地平を見てみたい

 

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