天を知り地を知り敵を知れば 百戦危うからず

しかし全て人の力に余る所業 己のことすら知らない

誰が敵で誰が味方か なぜ戦わねばならないのかすら……

答えは単純 振り向けばそこにいた

 

松岡圭祐さんの 【水鏡推理 アノマニー

 

「上と意見が合わなかったら?」

「ああ。誰とでも仲良くなる必要はねぇ。意見が合わねぇってことは、そいつはお前と違う考えを持ってるわけだ。ならお前の持ってない考えを補完してくれる存在でもある。そうしてチームってのは成り立つんだ。だから、お前とは合わない奴がいたとしても、そいつのいい面を評価する見方が重要なんだよ」

 

それでもしばらくは、何らかの意義を見いだせるのではと思い、父の言葉に耳を傾けてきた。だがいつも同じだった。結局最後は自分に酔いしれる。親子愛を実感してるから幸せとか、そんな他愛もない言い草に落ち着く。今はそういう所帯じみた価値観を論じたいわけではない。

 

過去に裁判長がこう発言したから、財務省としてこのように判断した。その命題が定まっているうちは、状況を覆すことはできない。よって前提をひっくり返す必要が生じる。官僚は組織的な工作を持って、何らかの働きかけを行う。国家公務員になって以来、瑞希もよく聞く話だった。前例さえ作ってしまえば、だも横槍を入れない。幹部ですら流れには逆らわない。

 

―――「君らにはわからなかった。それに僕にも長いことわからなかったことがある。親は子供を愛するだけで幸せを感じる。その事実だよ。子供が理想通りに育って、将来恩返ししてくれなきゃ意味ないなんて、正しい親は思わない。ただ子供を愛せれば、全て報われた気になるんだ。君らがどう行動しようが問題じゃない」

 

アノマニー。法則や理論と比較し説明不可能な事象のことだった。科学的な常識や原則から逸脱し、偏差を起こす場合もそう呼ぶ。特異日は気象学においてアノマニーに違いない。

 

 

 

親として全くそぐわないのに 親になってしまった大きな子供たち

ただ結婚して子供を産んで育てても 親にはなれない

血筋や免許やまして法律なんかじゃない 一度なったら変わらない・変われないものじゃなかった

そんな曖昧で不安定な答え 信じられないし受け入れ難いもの

でもそんな気分次第もいいとは思う そのために世界は山も海も人種も越えて繋がったのだし

 

とは言っても 小ズルい人でなしがいる

自分を無理解の中に留め 責任は子供に押し被せる

そしてソレが許され あろうことかモテ囃された時代があった

全員とは決して言わないけど傾向として バブル景気を経験できた今の50代・60代の方々

こんな最悪があるような気がしてならない

子供時代やJKをやたらと賛美するのも できることならその時に戻りたいとの秘めた願望も

こんな無自覚な毒親を作り上げることにつながった

 

自分の「快」や「好き」を纏って外界から守りながら中で育てるのは 危急では必要な処置ではある

けど元気が充填したら不要 むしろ邪魔になる

悪意や暗い部分は 世界のほんの一部分でしかなかったのだから

どんな理由であれ 家や学校から離れた自然の中に入ることができれば

それまでの悪意の檻の分だけ 天も助けての手を差し伸べてくれる……のかもしれない

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