何のために戦って 何のために死ぬのか

なぜこんなにも憎まれて なぜこんなにも殺し合うのか

命がもったいない――― 地獄は目の前にあった

天気暗澹にして波高し 人民の命運この霧中にあり

 

松岡圭祐さんの 【八月十五日に吹く風

 

これらの複合的な理由により、不可避の結論として日本兵が到達するのが、ほかならぬ玉砕である。狂信でなく、排他的村社会の中で恥と制裁を恐る精神性が、日本兵を死に駆り立てている。外部からの情報を得ようとしないため、理想は願望を事実として同一視することに希望を見出そうとしもする。

より要約された記事に、日本兵の特徴は二点に絞られる。そうあった。決定された作戦を忠実に実行する。だが予期しなかった自体には上手く対処できない。

 

―――「こう思って欲しい。救えるものから救っていると、救うことが許されるものから、あるいは容認されるものから、そう言うべきかもしれん。私には今のところ、それしかできんのだよ」

 

―――「諸君、本作戦は可能性を吟味した結果である。今こそ人としての基本に戻り、命を消耗せぬこと、させぬこと、徹底して全員を無事に目指そうではないか。夢物語と言われそうだが、諸君ならやれると信じる。兵に玉砕を当然のごとく強いる軍など、断じて許されん。ほかに有効な策があれば、ぜひと提案していただきたい」

 

菊池は涙をにじませていた。「戦争の中にあっては、正しい答えは否定されます。でも正しいものは正しいんです」

水兵が表情を険しくした。しかし菊池は水兵を気に求めていない様子だった。すべてを伝えた、そんな満足と虚無の入り混じった態度だけを残している。

 

頬がムズ痒く感じ、指先で触れた。気づけば自分の頬にも涙が流れ落ちていた。心がむせて仕方ない。泣きながら雄介は思った。帰れるのはいいことだ。あの島にいた五千二百人、そして救出に向かった乗組員らの全てに、こんなひと時があった。強がって自分を偽り、一人で生きると心に決めたところで、ただひとりで生きるだけでしかない。今という時は、どれほどの幸せなのだろう。どんなに尊いのだろう。

 

 

 

なぜ戦争が起きたのか?

それ以外の選択肢がなかった 生きるためには戦わねばならなかった

でも現代の自分たちは知っている そんな必要はこれっぽっちもなかったと

海の向こうの国には悪魔などいなかった 誰もが命を尊んでいた

言葉や生活習慣は違えども 同じ血の通った人間だった

誰もが戦争を憎んでいた 争おうとする者たちを軽蔑していた

なぜ戦争は起きたのか?

不理解と恐怖心が引き起こした 愚かすぎる所業でしかなった……

 

そんな知的生物としての未成熟ぶりは もちろんこれからの改善点

でもやっぱり ソレを積極的に扇動してきた存在がいたのも確からしい

 

(告知動画なので、本編は「ニコニコ動画」にてご視聴を)

 

なぜ沖縄戦での悲劇が起きたのか?

動画では 当時の総司令官だった牛島満さんの不可解な言動と行動を中心に

国家を超えた陸軍勢力と海軍勢力の争いも兼ねて 何らかの悪魔・生贄の儀式だったのでは?と疑問提起を

もしかしたらその遠因として 今作のキスカ島撤退作戦が関係していたのかも

本来ならキスカ島でも儀式をしたかったのにできなかった その大失敗から沖縄では徹底して断行された……

あるいはキスカ島で本当に起きたことは 特にその登場人物たちは違っていたのかもしれないけど

 

悲劇の奥にも秘密が隠されているように 美談の奥にもやはり秘密があるのかもしれない

情報開示してくれない限り この時代を物語ることは難しい……

 

 

 

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