祖父は乞食の恰好をして、自分で作った
奇妙な人形を両手に持って徘徊し、その姿を
見た近所の人々は薄気味悪がった。
祖父は精神を病んでいたのだ。
祖母は虚言癖があり、祖父と同じく精神を
病んでいた。
父は読書家、教養人、ナポレオン崇拝者で
ナポレオン軍に参加したが、戦に敗れて
挫折と失望によって精神を錯乱し死んだ。
母は幼い頃、祖母から生きていくために
乞食の恰好をして道を通る人々からお金を
恵んでもらうことをさせられた、経験を
持っていた。
父が死んだあと、祖父母の面倒を見ていた
母はストレスで、アルコールに溺れ
中毒症となり病んでいった。
壮絶な家庭環境に、彼は生まれ育った。
子供の時点で、自分の人生をあきらめて
しまう要素は、希望の光を掴むより
容易かったに違いない。
そこには、自分で思い描く希望の未来を
打ち消すほどの迫力と壮絶さがある。
彼は大人へと成長していく。
彼の人生は絶望と挫折の連続だったが、
名前は歴史に残り、彼が創作した物語は
何百年たった今でも、読まれている。
彼が絶望と挫折にくじけなかったのは、
幼い頃、家族から言われた
「やりたいことをやりなさい」
という言葉だった。
自分はこんな状態だから、病んでいる中で
孫に、子供はそうあってほしいと、
思ったのかもしれない。
彼は作品の内容を聞かれた時、
こう答えています。
【私が書いたものは、ほとんどが
私自身の姿であり、登場人物はすべて
私の人生から生まれたものです】
ネガティブな環境から創作童話は生まれた。
童話は昔からの言い伝えなどをモチーフに
したグリム童話、教訓をモチーフにした
イソップ童話、そして、独自の創作による
童話があります。
彼は、当時の社会の最下層の人々の感情を
代弁し物語として表現したとも
言われています。
最後に
【人はどんな高い所でも登ることができる、
しかし、それには
決意と自信がなければならない】
決意と自信を持ってください、
あなたはそれができる人間なのです。
彼の名前はアンデルセン、
独りでやりたいことをやり続けた男です。
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遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。