精神科医カール・グスタフ・ユングの一面。
彼は孤独な若者だった。
アウトサイダーだった。
学校を愛することができず、人と競うことが
できなかった。
内向的な性格の持ち主だった。
妬みを受け、数々の嫌がらせを受け
いじめの対象となった。
９歳の頃、あるものに出会った。
誰も興味を持たないものかもしれない。
彼はそれに夢中になった。
彼が夢中になったものは【石】だった。
その【石】の前で何時間でも
いることができた。
【石】の前では、時間が感じられなかった。
彼の時間そのものがとまっていた。
彼は【石】で多くのイメージを膨らませた。
彼の終生の宝物、この【石】がそれとなった。
肉親から、お前はいつも考えることに
飢えていると、言われていた。
大人になった彼は、
死ぬまで
いつも考えることに飢えていた。
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