脂肪吸引のカウンセリングや経過観察で「何cm細くなるんですか?」「○cmしか細くなっていない」など、数字を気にされる方がいらっしゃいます。
今回は、そんな話題です。


先日、施術を受けていただいた患者さんから、メールをいただいた内容が、「ふくらはぎで1cmしか細くなっていない、3cmくらいを期待していた」というものでした。
これを数字で説明してみたいと思います。
必要な知識は小学校の算数レベルだけですので、数字は苦手!と言わずに頑張って読んでくれると嬉しいです。


ここでは、計算式が分かりやすくなるように
ふくらはぎの全周は円と仮定して36cm
円周率は3
とします。

円周=直径×円周率という公式があります。
36=12×3なので、
ふくらはぎの全周が36cmのとき、
ふくらはぎの直径は12cmです。

全周が3cm細くなる(=33cmになる)ためには、
33=11×3なので、
直径が12cm→11cmへと、1cm細くならなければいけません。
つまり、脂肪だけで1cmの厚みを吸引する必要があります。

脂肪層だけで1cm薄くするということは、
脂肪の50%を取ると仮定した場合には、
元々2cmの脂肪の厚み→1cm脂肪の厚みにする
ということです。

頑張って60%の脂肪を取ったとしても、
元々1.6cmの脂肪の厚みがなければ
直径1cm分は細くできないということになります。

70%以上取るということは、かなりリスクが高く
凹凸ひきつれ色素沈着が起きやすくなります。
90%の脂肪が吸引可能というサイトもありますが、
仕上がりを考えれば(考えなくても?)、
不可能なのは間違いありません。


次に、脂肪の厚みをどう評価するかです。
脂肪をつまんで「脂肪が多い!」と悩むとき、
皮膚ごとつまんで厚みを評価すると思います。


こういったつまみ方をした場合、
・皮膚の厚みも加わっている
・折り返しているので2倍の厚みになる
ということなので、
皮膚の厚みを2mm(0.2cm)と見積もったとしても、

50%の脂肪を取る場合で
2cm×2+0.2cm×2=4.4cm
の厚みがつまめないと全周を3cm細くできませんし、

頑張って60%の脂肪を取ったとしても
1.6cm×2+0.2×2=3.6cm
の厚みがつまめないと全周を3cm細くできません。

ご自身のふくらはぎをつまんでみて、
3.6cm以上ある方、どのくらいいるでしょうか?
おそらくBMIが30未満の方では、
ほとんどいないのではないかと推測します。
ふくらはぎをつまんで3.6cmというのは、
けっこうなボリュームだと思います。
逆にいえば、つまんで4cmくらいある方は
全周で3cmくらいのボリュームダウンも
可能なのかもしれませんね。


今度は、視点を変えてみます。
ふくらはぎで1cmの変化というのは
どのくらいの変化なのでしょうか?
条件は同じで
ふくらはぎの全周が36cm
円周率は3
としてみます。

36cm→35cmになったということは
35=11.67×3
ですので、ふくらはぎの直径が
12cm→11.67cm
になったということです。
脂肪の厚みにして0.33cm減りました。

50%の脂肪を吸引したとすると、
元々の脂肪の厚みが0.66cmあったことになり、
診察時につまんでいた厚さは
0.66×2+0.2×2=1.72cm
ということになります。

60%の脂肪を取ったとしたら、
元々の脂肪の厚みは0.55cmあったことになり、
0.55×2+0.2×2=1.5cm
ということになります。

このくらいつまめる人は多いでしょう。
ですので、1cmくらいの変化は
脂肪吸引をすることで期待できそうだ、
ということになります。
わずか1cmと感じるかもしれませんが、
体積としてはかなり大きくなります。

ふくらはぎが幅15cm、長さ20cm
と仮定した場合、
幅15cm、長さ20cmの面積を
1cm分の厚みで減らした体積は
15×20×1=300cc
となります。
片足で300ccなので、両足で600cc
ふくらはぎで600ccという量は
比較的多いのではないでしょうか?
つまり、
ふくらはぎの全周で1cm変われば、
数値以上にイメージは大きく変わる
ということになります。
実際に当院の症例写真を見ていると
1cmくらいの変化でも大きく見え
とても綺麗に仕上がっています。


2cmの変化の場合だと
36cm→34cmですので、直径が11.3cm
直径の変化としては0.7cmなので、

50%の脂肪を吸引したとすると
元々の脂肪の厚みは1.4cmですので、
1.4cm×2+0.2×2=3.2cm

60%の脂肪を吸引したとしたら、
元々の脂肪の厚みは1.17cmですので、
1.17cm×2+0.2×2=2.74cm
となります。

この厚みが、診察時につまめていないと
全周で2cm減るのは難しいということです。
このくらいつまめる人は半分弱でしょうか。
3cmつまめるって、結構厚いものです。


太ももの付け根あたりですと、
3cmくらいの厚みは簡単につまめますし
直径が大きいので、変化も大きくなります。
当院でも全周で5cmの変化をする方は
太ももやお尻、お腹の脂肪吸引では
たくさんいらっしゃいます。

ですが、ふくらはぎは直径が小さいので
変化の数字としても小さくなります。
このことをご理解いただけないと、
1cm「しか」という印象になってしまい
診察時の脂肪のボリュームから見ると
適切な変化をしている場合であっても
結果への満足度が下がってしまいます。

吸引量にしても、計測した細さにしても
数字にこだわると満足度が落ちます。
そして、数値にこだわられてしまうと
私も量にこだわって吸引することになり
デザインで妥協する場面も出ますので
仕上がりが落ちる傾向にあります。

吸引量や変化した数字も大切ですし、
患者さんのお気持ちはよく分かりますが、
それ以上に全体のデザインも大切だと
当院では考えています。
数値だけではなく、
仕上がった全体的な細さやデザインで
ご評価いただけると嬉しいです。







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4(日)・9(金)・10(土)・14(水)・18(日)・22(木)・26(月)・27(火)・28(水)

2017年7月の休診日
1(土)・5(水)・9(日)・13(木)・18(火)・19(水)・24(月)・28(金)

2017年8月の休診日
1(火)・5(土)・9(水)・17(木)・21(月)・22(火)・26(土)・31(木)
















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