ポレポレ東中野・北野隆氏(朝日新聞記者 )登壇 | 記録映画保存センターブログ

ポレポレ東中野・北野隆氏(朝日新聞記者 )登壇

東京での公開5日目。普段ならお客様のご来場が下がる平日、しかもうだるような残暑、酷暑、どうしましょ!と複雑な気分でポレポレへ向かったのですが、幸いなことに多くのお客様にご鑑賞いただけており、安堵です。

昨日はこの映画の製作はもちろん、記録映画保存センターの活動にも目を向けていただいています、朝日新聞社の北野隆一記者をゲストにお迎えして、〈震災100年目の2本の映画〉として『キャメラを持った男たち』と『福田村事件』を語っていただきました。
北野さんはこの二作品とも撮影時から取材しており、大きな記事にしてくださいました。
聞き手は『キャメラを〜』の宣伝美術を差配してくださっている、書籍編集者の村山恒夫さん。村山さんは『福田村事件』の脚本を担当した荒井晴彦さんと大学の同期生という間柄でもあります。

ジャーナリストとして、筆先の鋭い記者、という私の印象に対して、北野さんは映画が持つエンタテインメント性についてお話しになりました。テーマだけを並べ立てるだけでなく、見やすく、かつ興味深く観る方を誘うスキルこそ映画人の矜持、という意の言葉に励まされ、一方で記録が残っていないもの、記録が埋もれているものをドキュメンタリーや劇映画というフォーマットの中でどう表現するか、という、製作者やご覧いただいた観客の皆さまを含めた現在地への問いかけもありました。

文字を書く記者は事後であっても追うことができるが、カメラマンはその時、その場所にいなければ撮ることができない。お客様の質問に答えられた北野さんの言葉が印象的なトークでした。

明日、9月1日は関東大震災から満100年になります。
上映終了時間の頃が11時58分になります。
震災で亡くなられた方、震災を生かされた方、震災フィルムに写された方々の殆どが物故された100年でもあります。
どうぞ劇場にお越しください。(演出・井上実 著)

 

「キャメラを持った男たち ー関東大震災を撮るー」
https://kirokueiga-hozon.jp/movie/camera/