いもーとらいふ<上><下>(作・入間人間)について再読したので感想を残します。


作家の入間人間さんは嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんでファンになり、そこから彼の小説はレーベルを問わず全て読んでいます。


デビュー作が一番好きで(作家にとっては黒歴史と言われているけど)(このシリーズ大好きだから時間のあるときに一巻ごとに感想書きたい)、なんとなく彼の作品はダーク系と電波系に二分されると思いますが、みーまーをはじめとするダーク系のテイストがとくに好きだったので、いもーとらいふがこんなに気に入るのは自分でも予想外でした。


キャッチーで軽めな話なのに上下巻で微妙にボリュームがあるところも好き。

上巻は兄、下巻は妹の視点を中心に構成されています。


いもーとらいふは上の分類に則ると電波系に属するストーリーでしょう。

人、死にません。痛い表現、ありません。主人公の兄妹以外の登場人物、ほぼ出てきません。なんだかわからない愛だけはたくさんあります。



妹がにーさんを認識したのは小学一年生の夏休み。それまでは存在の認識をしてはいても兄というものがなんだか分からず、ただ家にいる両親以外の他人でした。妹は両親以外に話す人はおらず友達もひとりもいません。

ところが初めての夏休みの終わり、宿題の絵日記に書くことがなさすぎて手をつけられず、怒られるから両親にも相談できず困っているとき、『兄』の存在を思い出します。宿題のことを相談したとき、兄は困った顔をして、でも助けてくれたので、妹はにーさんが大好きになりました。


妹はにーさんが大好き。にーさんも妹が大好き。二人だけの世界は学生から大人になり、年を取っても続きます。



この兄妹愛だけでは片付けられない、でも恋愛とも違うような相互依存の関係が、なんだかものすごく微笑ましいようなぞわぞわしていたたまれないような入間流の怪電波を発しているのです。


にーさんは妹一筋だけど、一度だけ彼女ができます。その彼女を踏み台にして妹が自分にとって一番大切だと自覚します。


妹は兄を認識したそのときからにーさん一筋で他の人間には目もくれません。


お互いだけを大事にして一緒に住んでるアパートの世界だけを守って二人で生きていく、兄妹の危うさがイタいんだけど純粋すぎてなんだか羨ましく感じてしまうのです。


性的なものは感じないけど精神の結び付きが強すぎてなんだかエロい気もしてくる…でも妹がアホ幼なすぎてエロい気がしたさっきの自分がめちゃめちゃ頭おかしかったのではと葛藤する…しかし何歳になっても妹がかわいくて癒される…


そんな精神のカオスを味わいたい時にまた読み返したいと思います。