加藤諦三氏は「ズルい人に良識は通用しない」と述べています。

 

 ドラえもんの「結成!のびーとるず」を例に見ていきましょう。(Tverで12月30日17時30分まで視聴可能です。)

 話の流れ:スネ夫はロックバンドにあこがれてパパに演奏できる部屋と道具をそろえてもらう。スネ夫は、ジャイアンとしずかには楽器を使わせるものの、のび太には学校で使用しているカスタネットを与え、のび太に屈辱的な行為を行い、のび太は帰る。

 ジャイアンとしずかものスネ夫の細かい注文についていけず、途中で帰りスネ夫が悪かったといって仲直りしてクリスマス会で演奏するというお話です。

 

 のび太はギターを選びます。

 

 スネ夫はのび太にはギターはもったいないといった理由で、カスタネットに交換しました。

 ジャイアンはドラムでしずかはエレキギターでのび太はカスタネットです。

 

 のび太はスネ夫にバカにされ帰っていきました。

 

 スネ夫がのび太の家に来て「仲間に入れてほしい」と頼みに来ました。(のび太にカスタネットを与えて屈辱した行為については確認できませんでした。)

 

 しずかが仲直りするよう促します。

 

 仲直りして再出発です。

(画像はいずれもTverから引用したもの)

 

 アニメでは、しずかが「でも、みんなでやればきっと楽しいわよね」といったことでスネ夫と仲直りします。現実の世界ではのび太の対応「ぼくをのけものにしただろ。それにジャイアンとしずかちゃん…」といった対応が正しいことを肌身をもって感じております。

 世の中では、スネ夫みたいな人と仲直りすると付け込まれてしまう原因となります。むしろ、スネ夫が泣きついたとしても仲直りしてはならないのです。

(でないと私のように紛争に巻き込まれてしまいます…)

 

 加藤諦三氏は、スネ夫がのび太に対して取るような行為に対して次のように述べています。

 

   スネ夫は、のび太に対してジャイアンとしずかと比較して差別してもいいと考えているようです。この部分を見て加藤諦三氏の次の言葉が頭に過りました。

 

 「いつも人を騙していれば、いよいよ騙すことに心理的抵抗はなくなる。その人にとって騙すことが当たり前の行為になる。騙すというと、普通の人はもの凄いことに考える。しかしいつも人を騙して物を売っている人は、騙すという感覚がなくて人を騙すようになる。」

 (「」の部分は加藤諦三氏 ずるい人に騙された時どう生きるか 怒りと悔しさの心理 第4章騙す人の心理

 騙す人は人間の心理を熟知している ◆騙す人に良心の呵責はないから引用)
 

  世間でスネ夫みたいな人に遭遇したら、加藤氏は次のような対応を取るよう述べています。

 「学校は良識を教える。しかし良識を教えるなら、それは普通の人の間で通用するものだという前提を教えなければならない。学校はどうして生きていく上でもっとも大切なこと、つまり世の中には詐取タイプの人もいれば、誠実な人もいるということをしっかりと教えないのだろうと不思議に思うときがある。相手が誠実な人とわかるまでは、人間関係では『義務なきことは行わず』が鉄則である。相手がどんなずるい人かもわかならいのに『良識を持って行動しよう』などというのはとんでもないことである。世俗の世の中では『お前はさっさと死ね』と言うことに等しいことである。

(「」の部分は加藤諦三氏 ずるい人に騙された時どう生きるか 怒りと悔しさの心理の第5章ずるい人から身を守るためには

 義務なきことを行わず ◆ずるい人に良識は通用しないから引用)