ある日の占い研究会で、人によって占いたい内容に片寄りがある、という話になりました。

いつも不安を占う人、成否を占うことが多い人、来月の運勢を占う人、確かに傾向があるようです。

 

そこで、あらためて、人がどんなときに占いをしたくなるのか調べてみたくなりました。

占いたい内容だと広すぎるので、占いたいときの「気持ち」を聞いてみました。喜怒哀楽(楽は平常心としました)の、どの感情のときに占いをしたくなるか。

 

 

 

結果は、おそらく悲しく不安なときが一番多いだろうという予想通りになりましたが。

意外だったのは、想像以上に「平常心で落ちついているときに、占いたくなる」という人が多かったことです。

654票の21%ですから、137人です。

 

これは……占い業界の根底を揺るがす重大事?と感じました。

 

これまで何度か占いブームがありました。

世紀末のオカルト&占いブーム。

スピリチュアル占いブーム。

その裏側には、先が見えない時代の不安感がありました。

コロナ下で、占いカードの売上が急上昇したのも、そのせいかもしれません。

 

それでも占いをめぐる状況は昔とは大分変わってきています。

3〜40年前と比べて、現在は占いがものすごく身近になりました。

書店に占い本の書棚があります。無料コンテンツやサイトで占いを気軽に試すことができます。

占いカード占いグッズが、インターネットで手軽に買えるようになりました。

占いカードを自分で作る人が増えています。

占いをライトに楽しむ人が確実に増えてきている実感があります。

 

あえて、アンケートに、

(ルーティンで日運を占っている方は、イレギュラーで日運以外の占いをしたくなったときの気持ちを教えてください)

と入れたのは、平常心でルーティンで日運を占っている人がSNS上にたくさんいることを知っていたからです。

それを除外しても、平常心で占いをしているという人が2割いるという事実。

 

占いが、怖く、恐ろしく、あやしく後ろめたいものだった時代を、わたしは知っています。

14年前に「占い師入門」という本を出したときはまだ、普通の人が占い師になるなんて考えられない、そういう時代でした。そのころを思うと、とても感慨深いです。

 

占い師入門

 

いろんな副業占い師さんに、占い師になったきっかけを聞いてみたインタビュー集「副業占い師ブギ」でも、占い師になるにはそれぞれに理由と事情がありました。

副業占い師ブギ 普通のわたしが普通でいられなくなった日

 

今、占いと占い師をめぐる状況が、大きく変わってきています。

占いで、よりよい未来をつかみたいと思う人が増えているのでしょう。

児童文学作家として、子どもさんにもおすすめできる、健全な占いの普及を目指して活動してきたわたしとしては、とても嬉しいです。

占い師のオシゴト (偕成社ノベルフリーク)

 

 

本来占いには、いろいろな役割がある、とわたしは思います。

希望をもたらしてくれる「救い」でもあり、楽しい「エンターティメント」でもあり、世界中に研究者がいる立派な「学問」でもあります。お悩み解消の便利で手軽な「ツール」として使う人も増えています。(あやしく恐ろしい取扱注意の、大人のための占いも、それはそれであっていいと思います。)

 

わたしは本当に心から、占いが好きです。

 

これからも占い業界の健全化に役立つ活動を続けていきたいと思っています。

 

 

 

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