ジオマンシー占いがすごく面白いし、良く出来ていると思う点。
自分がこうで、相手がそれでと。自分と相手から、二人の関係性が自動的に導き出される点。
「錬成」っていうんですけど。
中世の魔術師は、金を錬成しようとしてできなかったんですけれども。化学反応で生成される物質って決まっているんですよね。
酸素と炭素は、二酸化炭素になります。
鉄と酸素は、酸化鉄に。
2つが決まれば、そこから生成される結果も決まっているんです。全然違うものが突然誕生したりしないんです。
ジオマンシーの錬成もそういう意味で、システム通りに決まっています。
シンボルの同じ段の偶数と奇数とを足し合わせるて新しいシンボルを錬成します。
自分を表すシンボルと相手を表すシンボルが決まれば、法則にしたがって自動的に結果が決まります。
錬成の法則はこちら↓
錬成が面白いのは、吉シンボルと吉シンボルから吉シンボルが錬成されるとは限らないところです。
凶シンボルと凶シンボルから、吉シンボルが錬成されることもあります。
でもどのシンボルが生成される場合も、「これとこれだから、こうなるんだ」と納得できるところがさすが。
ジオマンシーの1番古い記録は9世紀。
1200年以上前から使われて伝わっている古い占術です。
古いだけあって、その結果にすごく強い「説得力」があるんですよね。
たとえば。
自分が「喪失」で、相手が「獲得」な関係性もあります。自分が与える(提供する)側で、相手が受け取る側。で、この2つを錬成すると結果は、変化を表す「道」。
つまり、こういう関係性は長くは続かないんだろうな〜という結果です。
一方、同様な不均衡でも、自分が「悲しみ」で、相手が「喜び」の場合。
この2つを錬成すると「拘束」。これは閉ざされた強い結びつきを暗示しています。
悲観的な人と楽天的な人の結びつきは強いとも考えられるし、一方が喜んで一方が悲しむDVのような関係性は、実はなかなか離れがたいとも考えられます。
人生の不条理ですが、実際によくある状況なのです……。
もっと不条理な関係性もあります。
自分が「少女」で楽しくて、相手が「獲得」でメリットがある。でもこの2つを錬成すると、終わりを表す「竜の尾」になってしまうのです。楽しくて利益があるのに、未来がないのです。でもよくよく考えてみると、今が楽しくて、片方にメリットがある関係性って、もしかして健全ではないのかも。
「少女」はその場かぎりの刹那的な、「獲得」は片方だけが得をする不当な関係性を暗示しているのかもしれません。
自分が楽しいから。お互いにメリットがあるから。
でもその2人の関係性が未来につながっているかというと、そうでもなかったりするわけです。
逆のパターンもあります。
双方とも凶シンボルの「拘束」と「悲しみ」から、錬成されるのは「喜び」なのです。
動けない拘束の苦しさに耐える相手と、悲しみを分かち合う。
そこから生成される「喜び」から、苦しみを乗り越えて笑顔で見つめ合う未来が見えるのです。
不思議ですよね。
でも、分かる気がします。
実際に、そういうこと、ありますもの。
ジオマンシーの錬成は、こんなふうに、不思議だけれど、でも。わかる…そう思えるのです。
だからこそ、1200年以上の長い間、変わらずに伝えられてきたのでしょう。
ジオマンシーは、アラビア生まれの占いですが、その後ヨーロッパに渡って大流行し、今、日本でもブームになっています。
時代も文化も言葉も越えて、共通する、本質的な何か、があるのです。それこそが、ジオマンシーの大きな特徴なのです。
今回の例では、アラビアンジオマンシーカードを使いましたが、アラビアンジオマンシーカードは、オレンジ色の昼のカードと紺色の夜のカードがあります。
この昼と夜の錬成もまた面白いのです。
ちなみに、昼と夜の読み分け方については↓ブログにも書きました。
陰陽とはそもそも何かという話。
ジオマンシーは、ただ単に当たるだけでなく、その世界観に実際の現実を反映されているところが、本当に面白いな〜と思うのです。
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