「彼の気持ちを知りたい」
「彼とこれからどうなっていくのか知りたい」
占いで一番多い質問です。
ありふれた質問ながら、実はこれ、突き詰めて考えていくとなかなか難しいのです。
なぜなら、「誰目線」で見るかで、まったく違う世界になってしまう可能性があるからです。
私が見ている世界と、あの人が見ている世界。
なんだか、違う、と思ったことがありませんか?
同じ物を見ているはずなのに。
あの人と私、まるで違う物を見ているみたい。
誰でも一度はそんなふうに思ったことがあるのではないでしょうか。
そのとき、「私の世界」と「あの人の世界」は、並行して同時に存在する違う世界なのです。
……確かにわたしはSF好きですが。
この世は多重世界……なのかもと、占いしながら思います。
ルノルマンカードとコーヒーカード占いには、グランタブローという、その人の「世界」を「1枚の絵」のように一望に見せてくれる占法があります。
昔、占いでこんな結果が出たことがありました。
「アイドルの彼の気持ちを知りたい」というご質問です。
彼は人気アイドルで、彼女はコンサートにはいつもかけつける熱心なファン。
グランタブローを展開してみると、彼と彼女はお互いを見つめてぴったり寄り添う両思いと出ました。
(↑実際の展開ではありません)
アイドルの彼は結婚しています。彼女にも夫と子供がいます。二人が会うのは、コンサート会場でアイドルとファンとしてだけです。
つまり、彼女はただの一ファン。
それなのになぜ、両思い、と出たのでしょうか?
アイドルの彼は、私生活の話はあえてせず、いつもファンにとっての「恋人」を演じてくれています。彼女はコンサートに行けばアイドルの愛を感じ、ファンクラブでいつでも肉声を聞くことができます。
彼女は夫と離婚して子供を捨てて、リアルにアイドルと結婚したいと考えているわけではないのでしょう。
展開した「彼女のグランタブロー」は、彼女にとって最高の両思いを表しているのでした。
(ちなみにこのグランタブローで、彼女の夫は、「理解ある出資者」として出ていました)
この質問で、もし例えばアイドルの「彼のグランタブロー」を出したらどうなっていたでしょうか?
おそらく、アイドルの彼にとって、ファン全員が大切な存在、と出るのでしょう。
アイドルの彼の世界の中で、当たり前のことですが彼は、質問した彼女個人ではなく、ファン全員のことを見ているはずです。
二人の見ている世界は、まったく違っていて、そしてそれぞれに正しいのでしょう。
これはとても極端な例ですが、普通に一対一でお付き合いしていても、彼女と彼の世界がずれていることがあります。
彼女にとっては彼は一番大事なのに、彼にとっては仕事のほうが大事だったり。もちろんその逆も。
通常ルノルマンやコーヒーカード占いでは、質問者さん目線の世界を表す「本人のグランタブロー」を展開して占うのですが、冒頭のように「彼の気持ちを知りたい」という質問の場合は、「彼のグランタブロー」を展開する場合もあります。
先の例では(ちょっと特殊ながら)両思いでしたが、彼のグランタブローで知りたくなかった彼の秘密が見えてしまう場合もあります。
基本的には、「本人のグランタブロー」が大事と思います。
なぜなら、本人の人生を生きているのは本人だからです。
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