ここ数年、占いの講座をさせていただく機会が増えました。

講座をしながら、つくづく思うのは、基礎の大事さです。

 

占いって、直観と感性でするもののように思われるでしょうか?

でも、膨大な知識が必要な西洋占星術だけでなく、初心者に優しいカード占いでもやっぱり、基礎知識と基礎的な技術が必要です。

 

直観と感性ももちろん大事なのです。

ところが直観と感性がするどい人が、いい占い師になるとは限りません。むしろ、逆の場合も多いのです。

なぜかというと直観と感性が鋭い人は、知識がなくても、パッと見ただけで読めてしまうからです。

カードの意味はわからないのに、

「読める!読めるぞ〜!!!」

 

それって、すごいこと……ではなく、実はこれが伸び悩みの原因。

意味を覚えなければ応用がきかないし、たのみの直感力は体調や時と場合と相手によってブレブレで、一貫した結果を出せず、しまいには、「自分には向いてない」と投げ出して終了。

 

それよりも、むしろ、最初は全然読めなかった人が、コツコツとカードの意味を覚えながら、経験を積んでいくうちに、あるとき「あ!読める!」とハードルを越えて、大きく伸びたりします。

ウサギとカメの問題にも似ていますね。

ウサギタイプの小器用な人は要注意です。

 

基礎をきっちり学ぶと、何のカードがどうなっているからここをこう読むというふうに、今自分が何をしているのか意識できるようになっていきます。

無意識にキャッチした情報を、意識の領域に引き上げて、言葉で伝えられるようになるのです。

これが実は占い師にとって、とても大事なのです。

 

そして、これができるようになると、「占いを教える」こともできるようになります。

「なんとなく、見たらこう感じたから」

ではなく、どのカードをどの順番でどういうふうに読んで、その結果を導き出すのか?を言葉で語ることが、講師の仕事なのです。

 

ところで、占いの達人が、講師に向いているとは限りません。

ものすごいキレッキレの占いをする人でも、なぜどこをどういう理由でそう読んだのか語ることができないなら、占い方を教えることはできないのです。

野球でたとえれば、名選手が名コーチになるとは限らないというのと同じです。

「来た球を、よっく見て、がーっと打つ」ではなく……、

「肘を○度に曲げて、体をこういう向きでこのくらいひねって、こうすれば球がより遠くに飛ぶ」と伝えないと。

 

今、わたしは占いの講師をさせていただいていますが、占いという、形の定まらないあやふやなものを、どうやって分かりやすく、順序立てて説明すればいいか、占いとはまた違う大変さがあり、毎回、頭から湯気がでるほど、考えながら取り組んでいます。

 

最後に。

わたし自身は、直観と感性の人というよりは、ずっと、占い師としてはパッとしない状態で「ああ、分からない、できない」と思いながら続けてきて、ようやくほんの少し分かってきたカメタイプかな〜と思っています。

 

そして表題の答。

もちろん、天才型のウサギタイプ……直観と感性の鋭い人が基礎をしっかり学んで身につけたら最強です!!!

 

 

 

 

(↓満席となりました)

 


高橋桐矢の本とカード