30年近く占い師という仕事をしてきて、思うことがあります。

いろいろなお悩みに、占いで解決の糸口を見つけられたときはもう、すごく嬉しくて、占い師をしていて本当によかった〜と思うのです。

でも、占いで左右できることはほんのわずかです。

占い以外にもっとふさわしい解決方法があるかもしれません。

占ってはいけない問題もあります。

 

たとえば、病気を占うこと。

 

古来、健康問題は、誰にとっても関心が深く、重要な問題です。でも、現代の日本で、占いで、病気を診断すると法に触れます。

 

たとえば、よくありそうなこんなお悩み。

「この頃、腰が痛くて。大丈夫でしょうか?」

もしかしてその腰痛が重篤な内臓の病気の症状だったら?

相談者さんが占ってもらって満足して、病院に行かなかったら?

 

毅然と「病気は占えないのです」と断る占い師が、良い占い師です。

 

他に、法律で禁じられていなくても、占い師よりも、ふさわしい専門家がいる問題もあります。

たとえば、夫婦問題に悩む相談者さんが、もしかしてDV被害者だったら、警察に相談すべき案件かもしれません。

会社のパワハラセクハラは、専門部署や弁護士に相談することで改善できるかもしれません。

お金の問題にも、ファイナンシャルプランナー等の専門家がいます。

家族の問題や、子どもの発達の悩みをサポートする専門家も当事者グループもあります。

専門家や同じ悩みを持つ人と「つながる」ことが解決の糸口になる場合も多いのです。

 

占い師はどんなお悩みも「秘密厳守」で受け止めます。でもそれが、解決への道を「行き止まり」にすることになってしまったら……。

もっと悪いのは、相談者さんに「占いで解決できる」と期待させ、占いに依存させることです。

早く警察に相談していれば早く解決する問題が、占い師に相談したばかりに、誰にも知られることなく秘密のまま何年も放置されて悪化してしまったら、それこそ本末転倒です。

 

とはいえ、いきなり警察や病院や弁護士に相談にいくのはハードルが高いでしょう。

だから、いろいろなお悩みが持ち込まれる占い師が、他のいろいろな専門家につながる、入り口になれたらと思うのです。

 

もし占えないご相談を受けたら、わたしなら、まずは、

「大変な問題を、今までおひとりで抱えて大変でしたね。話してくださって、嬉しいです」

と、伝えたその上で、

「専門家に相談してみませんか?」

と、占い以外の解決法を提案してみます。

 

そして、問題そのものは専門家にお任せするとしても、悩み苦しみ疲弊した心のケアや、気の持ち方や未来の運気の流れについては、占い師にも役立てる部分があるはずです。

 

占えない問題、占ってはいけない問題、占いよりふさわしい解決方法がある問題を、抱え込まずにきちんと専門家につなぐ。そして占い師は占い師にできることをする。

できることとできないことを、きちんと見分けられる占い師が、占い師の信用向上にもつながると思うのです。

 

それを、占い師になってからもうず〜っと思っています。

(↓去年もブログに書きました)

死にたいという人が占いに来たら?

 

30年近く占いをしてきてつくづく思うこと……占いで解決できること、占いにできることは、本当にわずかしかありません。

でも、占いだからこそできることもあります。

 

わたしも、占いにしかできないことと、真摯に向き合う占い師でありたいなぁ……。

 

 

 

 

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