【追記・生来の霊能力を修行などで高めて生業とする場合(宗教的な祈祷なども含む)はこの限りではありません】

 

 

「霊能力でお金を得てはいけない」って聞いたことがありますか?

わたしは、師匠からも言われましたし、霊能力で稼ぐ人がおかしなことになっていくのも見ているので、理由はわからないまま、なんとなく、そういうものなんだろうなあと思っていました。

では、占いをしてお金をいただくのはいいのでしょうか?

占い師というのは紀元前からあるもっとも古い職業の一つです。

西洋でも東洋でもどんな時代でも占い師はお金をいただいて占いをしてきました。

では、なぜ、霊能力でお金を得るのはいけないのでしょうか。

長年もやもやと考えてきて、ひとつの結論にたどり着きましたので、書いておこうと思います。

まず、「占い」とは、習得できる技術です。
とはいっても一朝一夕では無理です。わたしも、タロットも78枚覚えるのに数ヶ月、西洋占星術で出生ホロスコープだけでなく、相性、三重円による時期まで見ることができるようになるまで何年もかかりました。
易も四柱推命も紫微斗数占いも人相も、何年も勉強しないと使い物になりません。さらに習得したらおしまいではなく、どんな占いも一生勉強です。

占い師はその知識と技術に、お金をいただいているのです。

美容師がカットやスタイリングの技術で、イラストレーターが絵を描いて、教師が知識を伝えることでお金を得るように、占い師として占ってお金を得ることも正当な仕事です。

では、霊能力でお金を得ることは、どう違うのでしょうか。

それを考えるのには、霊能力とは何か?という点を明らかにしなくてはなりません。

霊感タロット、霊感なんとか……一時期、占いに霊感を付けるのが流行りましたが、霊的な何かを感じ取る力を霊能力とするならば、すべての占い師が霊能力を使って占っている、と言えます。
わたしだって、そういう意味での霊能力を使ってカードを読んでいるわけです。でもことさら、霊能力と言わないのは、イラストレーターが「画力を使って描いています」とか、教師が「ティーチング力で教えています」とか言わないのと同じですよね。

誰でも潜在的に持っている直観力のことではなく、普通の人にはない「限られた人だけが生まれつき持つ力」を霊能力と定義した場合。

占いのように後天的に取得した力ではなく、その人の生まれつきの。

その人が持って生まれた何かがそのままお金になる……のは霊能力ばかりではありませんよね。
たとえばその人が持って生まれた身体がお金になるケースがあります。

そう。身体を売ること……売春、あるいは人身売買。

霊能力を売ること、に後ろめたさやあやうさを感じてしまうのは、それが、自分自身そのものを売ることだからではないでしょうか。

一見、その人自身を売っているように見えるモデルや俳優やダンサーは、みずからの身体を鍛えあげ、ウォーキングや演技やダンスの力でお金を得ているので、そのままの自分を切り売りしているわけではありません。

そして、生来の能力を修行して高めて、術として使っている場合も、正当な技能への対価を受け取っていると言っていいと思います。

でも。

生まれつき、
「他の人と違うものが見える」
「他の人に聞こえないことが聞こえる」
「他の人は知らない未来がわかる」
という霊能者が売っているのは、技術でも知識でも技能でもありません。

この霊能者は何を売っているのでしょうか。

お金は必ず何かの対価として支払われます。

身体を売った女の子が、「わたしは何も失ってない」と思ったら大間違いです。お金を受け取って、自分の身体を相手にゆだねた女の子は、自分自身の身体を大切に思う心を売ったのです。

霊能者は何を売っているのでしょうか?

霊能者が「ただ見えるものを語っているだけで何も失ってない」と思ったら、やっぱりそれも間違いではないでしょうか。

東北の田舎にはカミサマと呼ばれる霊能者がいます。カミサマは農家などの仕事のかたわら、人の相談に乗りますが、野菜やお菓子を受け取るだけで、お金を取ることはありません。

霊能者だって人間ですから、人の相談に乗ったら、野菜やお菓子や、せめてその時間分のお気持ちをいただいたっていいとは思います。

でも、もしそれが、数万円や数十万円……にもなるとしたら。
霊能者はその対価に、何を売ったのでしょうか。

それはもしかして、「人間としての尊厳」かもしれません。
そして、人間としての尊厳を失った霊能者が、やがてどうなっていくのか……。

そこまで考えて、「霊能力でお金を得てはいけない」と言い伝えられてきた理由が、すっと腑に落ちたのです。

 

もちろん、職業占い師であっても、占いの技術を磨くことを怠り、真摯な気持ちを忘れてしまったら、そのときは、自分を切り売りするしかなくなってしまうでしょう。

 

お金のやりとりには、それにふさわしい技術や何かが必要なのです。


何かを売り買いするときには、何を売っているのか、何を買っているのかは、しっかり把握していたいと思います。
 

 

 

【お知らせ】

~浦安にてジオマンシー占い講座があります~

3月24日(土)「ジオマンシー初心者講座」

3月24日(土)「ジオマンシー実践講座」

残席僅少!

 

 

↓高橋桐矢の本

 

小学校中学年から読めるイジメサバイバルシリーズ

 
↓作家仲間と運営しているイジメ対策サイト

↓高橋桐矢の公式ライン

友だち追加