児童文学者協会(児文協)へは、作家だけでなく、児童文学関連の詩人、翻訳家、評論家、研究者が入会することができます。

しかし、ただではないので(年会費18,000円)、入ろうかどうか検討しているけれど「メリットは?」と聞きたくなる気持ちもわかります。

 

とりあえず。
児童文学の原稿執筆で生計を立てている人は、作家の健康保険に入れるので、メリットがあります。もしも児童文庫などの作家さんで、相当の収入があるのに国民健康保険に入っているという人がいたら、児文協に入ることをオススメします。

 

そして。
そこまで収入はないけれど、今後、児童文学の分野で仕事をしていきたいと思っている人。

「自分から動く」気持ちがある人には、大きなメリットがあります。

 

そのことについてもう少しくわしく説明しましょう。

 

今。児童文学だけでなく、大人もミステリもファンタジーもすべての小説公募で、「プロ」または「1~数冊の著作がある元プロ」の応募が増えています。
公募によっては、最終選考に何人も見覚えのあるプロの名前があったりします。

 

これはどういうことかというと。本を出してデビューしたあと、「2冊目」「3冊目」……の本を出す方法が「公募しかない」プロが増えているということです。

 

1冊本を出してデビューすれば、あとは自動的に次々と本を出せる……

な~んてはずがありません!!!

 

それどころか、一度でも出した本が売れなければ、「売れない作家」というレッテルを貼られてしまい、次の本をどこも出してくれなくなってしまいます。未曾有の出版不況ですから、1冊1冊が、デビュー以上の難関なのです。

 

出版するのに一番必要なものは何でしょうか? 

文章力? アイデア? キャラ? 

いいえ、それらは全作家が「あって当たり前」なのです。


出版するのに必要なのは、「つながり」です。
原稿を読んでくれる編集さん。作品を載せてくれる雑誌。どこでどんな原稿が必要とされているか教えてくれる仲間。そういうつながりの先にだけ、出版が実現する道がつながっているのです。

 

話を戻しますが、一般の人がいきなり児童書や出版業界に「つながり」を持つのは難しいでしょう。

そんな中で、児童文学者協会という児童文学の作家団体に所属していることが、つながりの第一歩となりえるのです。

 

しかし、先にお断りしたように、「自分から動く」人にしかつながる扉は開かれません。児文協に所属したから自動的につながりができるわけではないのです。


編集さんに読んでもらえる貴重な機会である「合評研」。本誌の公募。隔月に事務局で行われる「井戸端会議」。児文協では、作家同士、そして編集者とつながるためのさまざまなイベントがあります。


特筆すべきは、首都圏在住でない地方在住の方にも、「同人誌」紹介ページで、自分の地元の書き手とつながることができる点です。(わたしも地方出身なので、そこ、大事です!)

 

そういう機会を、積極的に使おうと思える人にとっては、最大限のメリットがある、と言えるでしょう。

 

「自分は人見知りだから」という人でも大丈夫。わたしのような、とてつもなく人見知りで、非社交的な人間でも、20年近く所属していれば、こうしてたくさんの知り合いが出来たのですから。

 

そしてもうひとつ。今回2017年の児文協パーティで、感じたことがありました。

 

実は、他分野と同様、児童文学業界も高齢化してきています(70~80歳の作家さんがピュアな感性で書き続けていることはスゴイと思います)。去年までは、還暦過ぎの先生方がほとんどという印象でした。


ところが、今年は違いました。20代、30代の若手参加者が目に見えて増えていたのです。新しい、新鮮な息吹を感じました。


これは、いずみたかひろ先生が何年もかけてやっと作った、ユース会員制度(入会金、会費半額)のおかげだと思います。

 

児文協は、新入会員を歓迎しています。もちろん若い方もベテランの方も! 


入会はこちらのページからどうぞ!
http://jibunkyo.main.jp/index.php/about/admission

 

来年のパーティで、お会いしましょう!

 

お互いに、ひりひり、じくじく、ズキズキしながら!

わたしはこれからも書き続けていきます!