年明けからいそがしく、アレルギー薬が切れたため、また、じんましんが出てしまいました。薬をもらいにいって、今はちゃんと飲んでいます。
名医と評判の皮膚科に通っているのですが、その先生が、なんというか、その……。
「あとどのくらい薬を飲んだらいいんでしょうか?」
「気にならなくなるまで」
「出なくなって?」
「そうそう。気にならなくなるまでね」
「はあ……」
じんましんと診断され、原因を聞いたときも……。
「あの、食べ物が原因なんでしょうか?」
「ないない。関係ない」
「それじゃ、あの、何が」
「原因なんてね、わかんないの」
「な、治りますか?」
「薬飲んでいればね」
「どのくらいで?」
「数ヶ月の人もいるし、数年の人もいますよ」
すぐにはなかなか受け入れられなかったのですが、もう本当にこの状態で当分はガマンするしかないんだと覚悟を決めたころから、少しずつ治っていったのでした。
先生の言葉は、「ミもフタもない」のですが。きっとそれが「ほんとうのこと」なんだろうなあと、今は思います。
わたしも「原因があって病気になる」のだと思っていました。でも、本当にそうなのでしょうか?
たとえば、細菌による食中毒や、ウイルスによるインフルエンザなど、誰が見ても、原因と結果が明らかに思える場合でも。同じ料理を食べても食中毒にならない人、同じ空間にいてウイルスに接触してもインフルエンザにならない人がいます。どんな病気でも、単純に原因→結果とはならない。
まして、アレルギー性のじんましんなどという体のいろいろな仕組みやさまざまな外界の要因が複合的にかかわって発症する病気は、原因なんてわからない、のですよね。
ストレスや細菌、ウイルス、化学物質、食べ物、体質などなどたくさんの要素が複合的に関連して、病気という症状になるのでしょう。
人は、単純明快なものに、ひっかかりやすいです。
○○で治る!とか。○○がすべての原因!とか。
○○が、薬や食べ物ならともかく、先祖のたたりだったり、高価なツボだったり……。ありえる話です。
分かりやすく単純明快なものに人は惹かれやすいけれども、世の中は、分かりやすく単純明快ではないのです。
わたし自身、気付かないうちに、単純明快な答を求めていたのだと、あらためて気付いたのでした。
まだまだ修業が足りません……汗。
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