わたしは児童文学サークル「ひまわり時計」に所属しています。

 

1991年の結成以来、25年の歴史を持つ「ひまわり時計」ですが、わたしが加入する前、最初の数年は同人誌を出していました。長編含む立派な同人誌です。けれど今は同人誌を出していません。その理由をお話しします。

 

 

同人誌作成には手間もお金もかかります。
1・手間……地味で大変な編集作業。
2・お金……数万~数十万。人数の少ないサークルの場合特に、かなりの負担になります。

 

 

もちろん、労苦を上回る喜びもあるでしょう。

 

1・自分の作品が、同人誌という本の形になるのは、なによりも大きな喜び。
2・イラストやもくじが付いて、楽しく読みやすくなる。
3・画面ではなく、紙で読みたい。わたしもネットより、紙で読みたい世代です。
4・お世話になった人や読書好きな人に献本できる。より多くの人に作品を読んでもらえる。
5・上に加えて出版社や編集さんによんでもらって出版に繋がる可能性もある。

 

喜びの1~4を重要視するなら、同人誌を作るべきと思います。

 

 

しかし、喜びの5番目の「出版に繋がる可能性」に関しては、現代ではほぼ無い、と言っていいと思います。十数年前は優秀な同人誌から出版に繋がるケースも少なからずあったでしょうが、現代の編集さんは超絶に忙しく、献本しても、読んでいただくのはなかなかにむずかしいのです。プロ作家で、同人誌掲載作がのちに単行本になるケースがありますが、それは同人誌を出したからではなく、作家さん個人のつながりからの出版です。

 

 

ひまわり時計では有限な時間とお金を、できるかぎり「商業出版」に向けるために、同人誌は作らない、と決めたのです。

 

 

同人誌を出している他サークルさんを否定しているのではないことをどうかご理解ください。

 

 

同人誌がないひまわり時計では、合評会が唯一の活動です。ひまわり時計の最大のアピールポイントは、メンバー全員が優れた「読み手」であることでしょう。合評会に参加しているのは現在わずか4人ですが、作品を提出すれば毎回必ず、自分では気付かなかった目からウロコの指摘があります。わたしの作品の重要部分はひまわり時計で練ってもらったといっても過言ではないほどです。

 

 

中学年向けの著作が多数あるAさんは、グレードや商品としての作品についての鋭いアドバイスを、中学年や幼年向けも書くBさんは、書き手本人も気付かなかった深層心理まで読み取って、さらに作品を良くするための意見を、そして高学年から幼年まで幅広く書くCさんは意外な視点から、気付きのきっかけとなる意見を言ってくれます。もちろんわたし自身も、作品をより良くするために毎回全力で読んでいます。

 

 

読み手の批評を経て、作品はより良いものに進化していくのです。

 

 

ひまわり時計では、会員大募集中です。可愛い我が子(自分の作品)をとにかく褒めて欲しいという人には、ちょっと厳しいかもしれません。でも自作を少しでもより良いものにしたい、特に出版に結びつけたいと思う人なら必ず、よかった、と心から思ってもらえるはずです。少なくとも、わたしはそう思って、15年続けてきました。

 

 

例会は奇数月の第2日曜(土曜日の場合もあり)。JR大井町駅徒歩10分または、大井町線下神明駅徒歩3分の、区民集会所の会議室などを借りて行っています。ご興味ある方は、まず、見学にいらしてください。メッセージは、高橋桐矢あてに(kiriya.t@gmail.com )どうぞ。