今年、雑誌「日本児童文学」の編集部に入り、初めて、特集を担当することになりました。児童文学関連で調べなければならないことがありすぎてパニックになりかけていたときに、編集部の先輩の小川英子さんに「いいものがあるよ~☆」と教えていただいたのがこれです。


「戦後児童文学とその周辺年表」平湯克子 オリオン出版



電話帳の半分くらいの厚さの、分厚い冊子に、ものすごい情報量がぎゅぎゅぎゅっと詰まったこの年表は、なんと、著者の平湯さんがお一人で完成させたものだそうです。自費出版なので、書店には置いてありません。


1945年~2011年まで(2012~14年は補足あり)

65年までは見開き2ページ。その後は見開き4ページ。それぞれの年に発行された国産と翻訳児童文学、絵本を網羅。

特筆すべきは、その年にあった、できごと、子どもの本をめぐる動き、マンが、遊び、玩具、映画、一般小説、テレビ、世相、ヒット曲、ヒット商品、流行語まで掲載されていること!




どのページも、とても懐かしい!子どもの本と当時の世相が浮かび上がってきます。


現物をひとめ見て欲しくなりましたが、とても貴重な自費出版本です。ダメ元でと、著者の平湯さんにお手紙を出してみました。


行動してみるものですね!!!購入できるとお返事が来ました!


年表が手元に届いて、これはすばらしい資料だとあらためて思いました。年表ならネットで無料で見ることができると思われるかもしれません。けれど、ネット情報はあまりにも膨大すぎるのです。たとえばこの年表に掲載されている「歌謡曲」「子どもの遊び」など検索すれば、とてつもない情報量がヒットするでしょう。


問題は情報量ではなくて、「何を取捨選択するか」なのです。当年表はその題名の通り、「児童文学」に焦点を当てて、その周辺の世相、風俗を一望のもとに見せてくれます。


常々思っていたのですが、ネットでは得られない貴重な現物が、世の中にはまだまだたくさんありますね。当年表も、アマゾンでは売ってないし、専用販売申込みページもありません。


このような年表を必要としている方……編集者、児童文学関係者、児童文学を書く際の資料にも……の参考になればと、ブログに書いてみました。


著者連絡先をここに記します。


「戦後児童文学とその周辺年表」領価2000円(+送料)

2012年8月発行 

発行者 オリオン出版 平湯克子 

Email orion@jcom.home.jp