アルバムのような作品を作っていると、これは単純作業で製品を作るのと違って、
曲を考えている時は、音の重なりとかコード、メロディーの展開をイメージしたり、

詩を考えている時は、制限された言葉を繋げて、言いたい事、世界観、感情、景色などをやはりイメージしながら作業するので、

とにかく時間の感覚が狂います。

普通に考えれば、忙しい時は誰でも「もうこんな時間?」と、時間の経過を早く感じるのですが、
イメージに没頭すると、脳内の回転率のようなものが高速回転する感覚(クロックアップ)があるので、すごく長い時間経ったように思えて、逆に「まだこんな時間?」となる場合も多いのです。

この両方の感覚のズレがあるので、地下作業の期間はホントに時間の感覚が狂います。

打ち合わせ中に、ボソッと「今何月だっけ?」とふつうに呟くと、外部の人からはだいたい不思議がられますが、身近なスタッフは理解してますから、下手するとよく「今何年だっけ?」と呟いても、
「2012年です」とさらっと教えてくれます。


世界的な時間の標準は、ロンドンのグリニッジ天文台で観測されている「グリニッジ標準時」を基準にしていますが、
僕が思うに、時間という概念は実際はもっとあやふやなものだと思われます。

時計が刻む一時間を長いと感じる人と、短いと感じる人がいる訳で、
地球上と宇宙空間でも時間の感覚上の経過は変わってきます。

便宜上、統一するために地球の自転、公転の関係から時間の経過の基準を作り、
膨大な宇宙空間に対しては、光の速度で時間を計測するようにしてはいますが、
いまいち、あやふやな訳です。

時間の定義は諸説あるようですが、一般的に時間は「過去から未来へと直線的に流れる一次元」とされています。
おそらく、時計は常に未来へ向かって時刻を刻むので、そう考えられるのでしょうが、
逆の説もあるようです。僕もそっちのほうがしっくりくる気がします。


例えば、僕にとってシングル曲を書く時は、やがて作るアルバムの事を考えて作ります。
シングル曲が発表された段階では「何故?」と思われるような事が、アルバムまで出来た時に、
「ああ・・・!」となります。
時間軸ではシングル曲が先に出来ますが、僕の中ではアルバムを後に作る事で、シングル曲に別の解釈や意味を与える事になります。
アルバムの事を考えてと言いましたが、全部ではなく、後付けな部分もあるので、最初から全部決めていた訳ではないのです。

未来に自分がやるであろう事をまず何となく決めておきます。
そこに向かって必要だと思われる事をやっていきます。
その途中段階では、他の人からはまだ理解されない事が多いです。それは説明するのが面倒だからです。
結果的に周りの人から「ああ・・・!」と言われます。


ちょっと意味不明かもしれませんが、
「今」という瞬間は、瞬時に過去へと流れています。
「未来」に何が起こるかを予測する事は出来ませんが、自分が何をやろうとするのかは自分で決められます。やろうと決めた事ををやれば良いだけです。
それをやった結果、過去に自分がした事に意味が生まれます。

これはいわゆる「時間は過去から未来へ流れる」のではなく、「時間は未来から現在、そして過去へと流れて行く」と考えたほうがしっくりくる気がします。

別の言い方をすると、「時間=空間は止まったまま」と考え、「自分自身がもの凄い早さで進んでいる」とも言える気がします。それでも結果、時間は未来から過去へ流れている事になります。


僕は過去に何か嫌な事があった時ほど、とにかく前に進むようにしてきました。
立ち止まったり、現状維持を極端に嫌ってきたのです。
現状維持は、イコール後退を意味します。

おそらくそれは、時間が未来から過去へ流れているものだと感じていたからだと思います。






ああ・・・・・







ブログじゃなくなってきてる。