「馬と話す男 サラブレッドの心をつかむ世界的調教師モンティ・ロバーツの半生」

モンティ・ロバーツ著
東江一紀訳
徳間書店刊

Amazonの本書紹介**********
ロデオ競技場に生まれた著者モンティ・ロバーツは、幼い頃から馬と触れあう日々を過ごす。父親は馬を仕込むためにロープや鉄鎖で打ち捉えるが、彼にはそれが冷酷非情に見えてならない。やがて、モンティは「馬語」を修得し、馬と心を通わせることで、鞭もロープも使わず調教を行うことに成功する。だが、インチキ呼ばわりされ、周囲の人々の理解を得る道は遠く険しい―。
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ホース・ウィスパラー(映画「モンタナの風に抱かれて」)のモデルとなったモンティ・ロバーツの自伝を読みました。

全382ページ爆笑本が重い雷長いハートブレイク読み始めるまでは尻込みしてましたが、いざ読み始めると、口語体でスラスラと読みやすく、一気に読んでしまいましたピンクハート面白かったです音符キラキラルンルンずっと家にいるので、座り過ぎてお尻が痛くなったら、立ち上がってストレッチをしながら読みましたてへぺろ

あまりに読みやすいので、口述筆記を後で章立てとか工夫したのかな!?と思うくらいです。


本書はモンティがエリザベス女王に招かれて王室所有の馬を調教する所から始まります。モンティの半生の中で最も輝かしい大きな出来事だったのでしょう。ここまでなるのに苦難の道のりだった、とそれまでの半生を振り返る形で語られていきます。

牧場経営の家庭に生まれたモンティ。馬に乗るには恵まれた環境でしたが、父親を始め、当時の調教師たちの馬の調教は、まず馬を懲らしめて恐怖から従わせることが主流でした。主流というか、それが正しいと思われていました。モンティはそれに疑問を感じ、野生馬のムスタングの群れを観察するうちに、馬には「馬語」があることに気づき、自分でもその馬語を習得し、馬を恐怖で支配するのではなく、馬と話して信頼を得て、協力してもらう形での調教を始めます。

『よい調教師には、馬の話が聞こえる。偉大な調教師には、馬のささやきが聞こえる』38ページ

『「馬には「絶対にやれ」と言ってはならない。むしろ「やってほしいんだけどな」と誘いかけてみるべきなのだ。』70ページ

叔父や父親にその手法を披露しますが、共感を得られるどころか、罵倒され否定されてしまいます。馬を恐怖で支配するのではなく、馬の信頼を勝ち取って馬がハミや鞍をつけても気分よくいられるようにしたい、というモンティの考え方は当時は異端だったのでしょう。モンティはそれでも自分の調教方法を信じ、それからは自分の調教を他人に見せないようになります。そうして馬語にさらに磨きをかけていきます。

それがこのエリザベス女王に認められて事から変わっていきます。

まず『馬は重圧を押し返す動物である』ことに気がついたモンティ。

『馬の肩か脇腹に一本の指を当て、押してみるといい。馬は、体を引いたりはせず、体重を預けるかのように体で指を押し返してくる。』130ページ

確かにそうですよね!!!ではこれはどうしてなのか!?


『馬には、危険や緊張から逃げずに、逆に向かっていく性質がある。』216ページ

『馬は圧迫に向かっていく動物なのだ』216ページ


また、もうひとつの大きな特徴として「後退と前進」があります。ネイティブアメリカンの種族が野生馬を追う時には罠と逆の方向に馬を追い、少しすると馬に背中を向ける。そうすると好奇心の旺盛な馬は逆にヒトを追いかけていわゆる「人追い」をする。また向きを変えて馬を追うと、馬は去り、また向きを変えると馬はヒトを追い、最終的にヒトが用意した柵にまんまと入り込んでしまう、という手法があるようです。

確かに馬って天邪鬼なのか、追うとソッポを向くし、背中を向けるとツンツンと背中を突いて仲良くなろうよ、って話しかけてきることがありますよね!?猫もそうじゃないですか!?以前猫がいる知人宅へお邪魔した時、猫が好きで追いかけ回す友人から猫はひたすら逃げ回り、猫ちゃんを無視して知人や友人と仲良くしていた私の所に猫ちゃんは来て、私がちょっとだけ撫でてまた友人とのお喋りに夢中になっていると、最終的に私の頭に登ってまで「構え〜!!」ってなったことを思い出しました。

馬と仲良くなろうとする時、人懐こい馬だと馬の方から「撫でて〜ルンルン」ってきても、直ぐに飽きられますてへぺろでも、撫でた後背中を向けると「もっと構って〜ルンルン」ってむしろ馬の方が積極的になることがあって、これはその時の写真です。多分この時ブリとは数回しか会ったことなかった筈です。この後ムッチャ仲良くなりました。


確か私はブリに背中を向けて、友達のレッスンを見学していたと思います。

ブリスケの方から甘えて来ているのが分かりますよねラブラブ可愛いなルンルンブルーハートゴロニャン猫って感じですよねガーベラ

(注)まだモンドールと出会う前ですからねウインク流れ星


本著の最後にモンティが馬語をまとめた章があります。この分厚い本を読了する時間がない方はこの章だけを読んでも良いかもしれません。ただ、この分厚い中身を読んでこそ、この最後の章での馬語が腹落ちしてすっと頭に入るとは思います。


『馬の頭脳が人間ほど精緻ではないとしても、あなたが感じることと馬が感じることはそんなに大きく違わない。モンティ・ロバーツ流では、馬と人間とのあいだに築かれる信頼関係に最も重きを置く。それこそ、馬たちの望む関係であり、同士の契りを結んでチームを組む、いわば同じ色のユニフォームを着ることから始まるのだ。』366〜367ページ

また本著の訳者あとがきには、「ホース・ウィスパラー(モンタナの風に抱かれて)」のことにも触れられています。その文によると、やはりホース・ウィスパラーのモデルはモンティで、モンティも当初協力していましたが、ベストセラー仕掛け人たちによって物語が改変されたことにより、モンティは降りた、ようです。

この本を読んで初めて知りましたが、ホース・ウィスパラーの最後のシーンはモンティたちの父親たちが行っていた「馬を懲らしめる」調教方法でしたタラー


モンティの半生を語った本著ですが、モンティが若い頃の愛馬ブラウニーについて多く語られています。鹿毛のセン馬で額には輝かしい白い星があったそうです。読者の皆様、もう分かりですよね!!!?ウインク私の脳内ではモンドールで再生されて他人事とは思えませんでした爆笑この優秀で誇らしげでプライドが高く、モンティの傍らに常にいた馬に、私はかなり思い入れを持って読んでしまいました。またモンティの最初の愛馬ジンジャーにもモンドールとの相似点を見出して他人事とは思えずwまだ子供だったモンティの最初のパートナーのジンジャー。彼女は4歳だったモンティが初めて競技会に参加した時に

『トロフィーを家へ持ち帰ってやろうと馬の方が勝ってに決めていたに違いない』24ページ

全てを分かって演技をして、優勝カップを家に持ち帰ったそうですびっくり私のリボンも全部モンドールからのプレゼントだな〜と部屋に飾ってあるリボンを見ながら思いました。もんちゃん、ありがとうねピンクハートブルーハートルンルン音符

馬愛に満ちた本著、読んで良かったです音符ルンルンキラキラ早くこの本で学んだ馬語でモンドールとお話ししてみたいですグリーンハートピンクハートブルーハート