MGF教会週報礼拝黙想2006年3月5日 | マラナサ・グレイス・フェローシップ(MGF)の礼拝黙想

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MGF教会週報礼拝黙想バックナンバー集 執筆者 MGF牧仕 菊地一徳

創世記6:4「当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった」(新共同訳)。

「当時もその後も」=ネフィリムは大洪水によって一旦滅びるが、大洪水後、再び現れる(民数記、申命記、ヨシュア記、サムエル記、歴代誌に再登場)。もし、仮にネフィリムがセムの男系子孫とカインの女系子孫との間に生まれた子供だとすると、彼らは大洪水を箱舟にも乗らずに生き延びたことになる。聖書によれば、大洪水で生き延びた人類は、ノアとその家族8人だけなので、その主張は矛盾する。大洪水後、「ネフィリム」の数は少なく、居住地はカナン(ペリシテ)の地域に限定されていたようだ。そこはまさにイスラエルの敵地であった。

大洪水後のネフィリムを紹介する。
「ネフィリム人のアナク人(長い首、巨人の意)」(民数記13:33)。「彼らは大きくて背が高い」(申命記9:2)。彼らはイスラエルの最大の敵、最大の脅威となった。「アナクの父アルバ(数字の4)」(ヨシュア15:13)。「アルバはアナク人の中で最も偉大な人物」(同14:15)。「アナクの子孫」(民数記13:22)=「アヒマン(私の兄弟は贈り物)」、「シェシャイ(鷹、隼)」、「タルマイ(農夫、大きい)」。「アナクの子孫は力強い」(同28節)。「ガテ人ゴリヤテ(雄大、華麗、卓越)」(Ⅰサムエル17章)。「ガテ」はペリシテ人の5大都市の1つで、ヨシュア時代はアナク人が住んでいた(ヨシュア11:22)。ゴリヤテはガテ出身のアナク人。彼の身長は「6キュビト半」。イスラエル人は3種類のキュビト=一般用(約44cm)、王室用(約52cm)、長いキュビト(約56cm)を用いた。ゴリヤテの身長は、最低で約286cm、最高で364cmとなる。彼はペリシテ軍最強の戦士であったが、イスラエルとの戦いで,少年ダビデの投じた石によって倒された。「ガテ人ゴリヤテの兄弟ラフミ(私のパン)」(Ⅱサムエル22:19;Ⅰ歴20:5)。「エミム人(恐れるべき人々)」(創世記14:5;申命記2:10)=「強大な民で、数の多く、アナク人のように背が高かった」。「アナク人と同じく、彼らもレファイムであるとみなされていた」(同11節)。「レファイム(巨人、死者の霊、幽霊)」は、約束の地カナン(ペリシテ)の先住民(創世記15:20)。「ラファ(レファイムの単数形)」(Ⅱサムエル21:16,18,20)。イスラエルに戦争をしかける好戦的民族(Ⅱサムエル21:15;5:17~25)。「ラファの子孫」=「イシュビ・ベノブ(彼の住まいはノブにある)」。彼の青銅製の槍(穂先)の重さ300シェケル(約3.5㎏)(Ⅱサムエル21:16)。「サフ(高い)」(Ⅱサムエル21:18)。「シパイ」(Ⅰ歴代誌20:4)と同一人物。その他の「ラファの子孫」:指が6本ずつ24本もある巨人(Ⅰ歴代誌20:6‐7)。「ザムズミム人(陰謀者、騒音を立てる人、不平を言う人)」(申命記2:20,21)。彼らもレファイムで、強大な民であって数も多く、アナク人のように背が高かった。「ズジム人(放浪する生き物)」(創世記14:5)と同一視されている.「バシャンの王オグ」(申命記3:1、11)=「レファイムの最後の生存者(ラスト・レファイム)」。バシャンの全土はレファイムの国とも呼ばれた(申命記3:13)。彼は60の町を治める王(ヨシュア13:30)。オグは、「長さ9キュビト」(約396cm~504cm)、「幅4キュビト」(約176cm~224cm)の鉄のベッドで寝なければならないほどの巨人であった(申命記3:11)。オグの敗北はイスラエルにとって最大最強の無敵巨人に対する象徴的な勝利の一つで(申命記1:28)、ことわざのようによく知られるようになった(申命記3:1‐13,ヨシュア9:10)。

このように、聖書の「ネフィリム」は例外なく、すべて男で、邪悪な巨人で、好戦的(Ⅰサムエル17:4~16,25,33.Ⅱサムエル21:16,18~22)。また、先天的欠損症の傾向も見られる(Ⅱサムエル21:20)。神はアブラハムの子孫たちをカナンに遣わし、モーセ、ヨシュア、そしてダビデと部下30人の勇士を立たせて、これらの大洪水後の巨人を滅ぼされた。カナン入植(聖絶)は単なる侵略戦争ではない。それはネフィリムの遺伝子の根絶と、カナンの異常な性的倒錯が引き起こしたエイズのような致命的感染症の世界的蔓延を阻止するという神の目的が背後にあった。ダビデによるカナン征服後、ネフィリムが現れた形跡は全く見られない。ダビデの時代以降、人間と性行為をもった悪霊が刑罰のために「底知れぬ所」(ルカ8:31)に送還されたためと思われる。ちなみにイザヤ26:14の「死人」「死者の霊」の原語は「ラファ」。ネフィリムは救われずに永遠の刑罰に定められているとも理解できる。またレファイムの国「バシャン」はキリストを十字架につけた敵としても象徴的に描かれている(詩篇22:12)。女の子孫のかかとをかみついたサタンの子孫は、「ネフィリム」。つまり、ネフィリムはサタンの子孫であり、反キリスト的存在のことを指す。