お気に入りのネクタイ
ブライアン・ジュジ、教会機関誌

初等協会の男の子が、思いやりについて力強い教訓を教えてくれました。

男性にネクタイを手渡す少年
イラスト/オーガスト・ザンボナト

数年前、成人した娘とわたしは、10歳の子供たちから成る初等協会のクラスを教えていました。ある家族が一時的にわたしたちのワードに引っ越してきて、双子の男の子がクラスに加わりました。双子の一人は質問に答えるのが好きでしたが、もう一人は静かでした。

双子がクラスに加わって数週間後、初等協会の音楽指導者から、歌の時間にゲームを手伝ってほしいと頼まれました。彼女はわたしに古いネクタイを着けるよう手渡すと、子供たちが上手に歌ったらそれを少しずつ切っていくのだと言いました。

子供たちの歌はすばらしく、ゲームは成功でした。ネクタイの切れ端が一つずつ床に落ちると、子供たちは奪うように駆け寄りました。

次の日曜日、おとなしい方の双子がクラスの後も残って、椅子の片付けを手伝ってくれました。ほかの子供たちが帰ると、少年はわたしに渡すものがあると言いました。そしてポケットに手を入れ、柄の入った青いネクタイを取り出すと、それをわたしに手渡しました。

わたしは少年の親切な行いに驚き、感謝の気持ちに圧倒されました。後日、ネクタイをくれた理由を彼の母親に聞くと、少年がリサイクルショップでネクタイを見て、買ってほしいと頼んだのだと話してくれました。子供たちがわたしのネクタイを切ったので、それをとても気の毒に思ってくれたのです。少年はそれがわたしの持っている唯一のネクタイだと思いました。

その日、この少年から思いやりについて力強い教訓を学びました。きっと彼は、自分の贈り物がわたしにどんな影響を与えたかなど気づいていなかったと思います。ただ、わたしがどんな気持ちになっているかに気を配ってくれたのです。だれにも見られないように、そっと贈り物を渡してくれました。それがいちばんいい贈り物の仕方だと思います。

十二使徒定員会会長代理のディーター・F・ウークトドルフ会長は次のように教えています。「神の最も大いなる報いは、報いを期待せずに仕える人々に与えられます。それは周囲の称賛を浴びずに奉仕をする人や、ほかの人を助ける方法を人知れず探す人、ただ神と神の子供たちへの愛ゆえに人に仕える者に与えられるのです。」

あの男の子は、わたしにそのように奉仕してくれました。ネクタイをもらうことは、単なるネクタイそのもの以上の意味がありました。わたしの気持ちを気にかけてくれた人からもらったものなのです。そのネクタイはわずか数ドルのものでしたが、わたしにとっては何にも代えがたい価値があるものでした。今では、お気に入りのネクタイになっています

https://www.churchofjesuschrist.org/study/liahona/2026/10/latter-day-saint-voices/11-my-favorite-tie?lang=jpn