枇杷は甘いかスッパイか -4ページ目

枇杷は甘いかスッパイか

遠く離れた地に住む母。その介護の喜怒哀楽。

かつて、アサコに
「東京に引っ越していちばん嬉しかったことは何?」
とヨシトが訊いたことがある。
「子供がみんな大学を卒業したことが嬉しかった。でも、他人に自慢気に言うことではない。」
と答えていた。
今日再度訊いてみた。
東京に引っ越したことさえも記憶から消えているのだが、
「人に自慢ばするようなことじゃなかと。」
と言った。
少しは、東京へ行き、子供たちが全員、大学を卒業したことがよほど嬉しかったのだろう。
少しは覚えているようだ。
故郷島で生まれ育ったアサコにとって、そしてアサコの世代の人間にとって、子供たちが全員大学を卒業したことは、親としてとても喜ばしいことなのだ。
 
初登場、話の中で、ついに、故郷島市が出現した。
ヨシト唖然!

トイレでもよく、アサコは
「ここはどっか。」
と訊いてくる。
「いつも同じことを訊くよね。」
とヨシトが答えると、
「ここはどこですか?」
とちょっと違った言い方で訊き返してきた。
意味は同じだが、言い方が異なる。
なるほど、そういう切り返しもありか、
とヨシトは感心する。
 
 
夕食もよく食べ、アサコは寝た。
アサコが寝てから、いろいろな電源やストーブの停止確認をしていたら、電気ポットの電源が切られていた。
また、アサコがいじっておかしなことになったのか、と思ったら、ホットカーペットとポットの電源コードがコンセントから抜かれていた。
思うように動けない体で、コードを抜いたのかと思うと、とても危険に思い、驚くヨシトであった。
2019年GW、サダマツの弟二人が訪ねてくれました