私の息苦しい毎日のなかで、
本当にささやかな交流のあるアパートの住人の話。
キッチン、バスルーム共用のアパートには、
私の他に大家さんを含め、
3人が住む。
そのうち一人が、パッツイ。
アルゼンチン出身32歳。
ハンサムで柔らかな笑顔
肉体労働系の男性。
私達は早起き仲間だ。
平日はほぼ毎日朝の5時半にキッチンで
ささやき声で挨拶を交わし、
朝の飲み物のためのお湯を共有する。
夜のキッキンで話をすることもある。
パッツイは、来年3月から、
改めて医者になるための勉強を始めることを考えている。
医者として働けるようになるまでは
6年から10年かかる。
学びたいけど覚悟が必要だと言っていた。
『すごく興味があって勉強したいんだよ。
大変だから、最初1年やってみて決めようとおもうんどけどね』
という、
前を向いた彼がとても眩しい。