ロストケア | ある意味、恋してるⅡ

ある意味、恋してるⅡ

北村一輝さんと米米CLUB(石井竜也含む)についての追っかけ記事だったはずが、最近記事内容に脈絡がなくなりました(今は真田広之さんや世良公則さんにも傾倒中)。
というわけで、今後は思いのままに津々浦々・・・笑




【公式サイトより】
STORY
早朝の民家で老人と訪問介護センターの所長の死体が発見された。捜査線上に浮かんだのは、センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)。だが、彼は介護家族に慕われる献身的な介護士だった。検事の大友秀美(長澤まさみ)は、斯波が勤めるその訪問介護センターが世話している老人の死亡率が異常に高く、彼が働き始めてからの自宅での死者が40人を超えることを突き止めた。

真実を明らかにするため、斯波と対峙する大友。すると斯波は、自分がしたことは『殺人』ではなく、『救い』だと主張した。その告白に戸惑う大友。彼は何故多くの老人を殺めたのか?そして彼が言う『救い』の真意とは何なのか?

被害者の家族を調査するうちに、社会的なサポートでは賄いきれない、介護家族の厳しい現実を知る大友。そして彼女は、法の正義のもと斯波の信念と向き合っていく。


CAST
松山ケンイチ   斯波宗典 役
長澤まさみ   大友秀美 役
鈴鹿央士   椎名幸太 役
坂井真紀   羽村洋子 役
戸田菜穂   梅田美絵 役
峯村リエ   猪口真理子 役
加藤菜津   足立由紀 役
やす(ずん)   春山 登 役
岩谷健司   柊 誠一郎 役
井上 肇   団 元晴 役
綾戸智恵   川内タエ 役
梶原 善   沢登保志 役
藤田弓子   大友加代 役
柄本 明    斯波正作 役

STAFF
監督・脚本 前田 哲
脚本 龍居由佳里

👆この作品は、昨年の公開当時からちょっと気になってはいたのですが、上映館がさほど多くはなく、近所の映画館でも上映はしていなかったので、劇場には足を運びませんでした。

で、月日が経ち、先日WOWOWにて放送していたので、録画して観てみたのです📺

うーん"(-""-;)"
身につまされる・・・ショボーン

内容的には、非常に色んなことを考えさせられる、優れた作品だと感じました。
ただ、何にしろ、身につまされるし、やるせない・・・悲しい

我が家は、この映画で描かれるような悲惨な状況には陥っていませんが、うちの姑にも当てはまるような、家事を一切構わなくなって、家が汚れていく様や、今言ったことをすぐに忘れて同じ話を繰り返す様などの描写を見るにつけ、怖いな・・・との思いは抱きましたね不安
最初はきっと、こうした些細な違和感から始まり、段々と症状が進行していくのかと思うと、我が事に置き換えて考えずにはいられないというか・・・。


高齢者介護は、個々の認知症患者の状況や本人の性格、介護する家庭環境によっても異なるから、一律には言えないけど、介護に携わる家族に何らかの負担がかかることは間違いないわけで。
そうなると、この映画で描かれるような、悲惨な介護状態は、誰にとっても、いつ自分の身にふりかかるかわからない、他人事ではない問題なんですよねしょんぼり

松ケン演じる、連続殺人犯と同じ状況に、いつ自分が置かれるかわからない😖
もちろん、どんな理由があろうと、どんなに悲惨な状況に追い込まれようと、何の罪もない人を殺めるのは間違いで、その行為は悪ですダウン
斯波(松山ケンイチ)が、自身がケアする41人もの利用者を殺害したことは、何の言い訳も出来ない、罪深い行いであることには、議論の余地はありませんが、彼が最初に犯した自分の父親(柄本明)の殺人に関しては、私はどうしても責める気持ちにはなれないんですよね。

ああしなければ、彼は父親と共に無理心中を図っていたかもしれないし、自殺を図っていたかもしれない。
何にしろ、精神を正常に保ったまま、生き続けることは難しかった可能性が高い❎
そう思うと、殺すことが、自分にとっても父親にとっても救いになるのでは?と考えてしまったその心情を、誰も責めることは出来ない気がする真顔

それでもね、彼の行いを決して肯定してはいけないのは、殺された側の高齢者や、その家族の心情を、第三者が勝手に判断してはいけないからです。

斯波の裁判の最終場面で、裁判長に意見を求められた時、
「私がしたのは殺人ではなく、救いだ。」
との彼の言葉に、傍聴席の被害者遺族が投げ付けた言葉。
それこそが、誰かが自分の身勝手な倫理観で人の人生を奪ってはいけない理由であり、そのことを説得力を持って、我々に投げかけたシーンであるように、私は感じました。

そのように、映画を観る観客に、様々な問題提起をしてくれる良作だと思うので、ご興味ある方は、是非ご覧下さいませ🙇‍♀

⬇予告編