MINAMATA~ミナマタ~ | ある意味、恋してるⅡ

ある意味、恋してるⅡ

北村一輝さんと米米CLUB(石井竜也含む)についての追っかけ記事だったはずが、最近記事内容に脈絡がなくなりました(今は真田広之さんや世良公則さんにも傾倒中)。
というわけで、今後は思いのままに津々浦々・・・笑




【ウィキペディアより】
  あらすじ 
1971年、アメリカの写真家W・ユージン・スミスは「ライフ」誌に掲載された数々の「フォトグラフィック・エッセイ」で有名になるが、隠遁者となっていた。別の仕事をしていたスミスは、情熱的な日本人翻訳者のアイリーンから、水俣を訪れて水俣病を撮影・記録するよう促される。スミスは、地元の警察や政府の共犯者である[要出典]企業の貪欲さがもたらす破壊的な影響の正体を暴くために最善を尽くすことをついに確信する。水銀中毒と水俣病による沿岸地域の被害を記録するために、彼は日本の水俣を訪れた。水俣病は、化学会社チッソが引き起こした産業公害が原因であった。ミノルタのカメラだけを持って強大な企業に立ち向かい、スミスは壊れたコミュニティの信頼を得て、この物語を世界に伝えるための画像を見つけなければならない。しかし、スミスは現地で厳しい報復を受けることになり、アメリカに緊急送還される。しかし、この報道によって、彼はフォトジャーナリズムの象徴となる。

キャスト 
ジョニー・デップ- W・ユージン・スミス役
真田広之 - ヤマザキ・ミツオ役
美波 - アイリーン役
國村隼 - ノジマ・ジュンイチ役
加瀬亮 - キヨシ役
浅野忠信 - マツムラ・タツオ役
岩瀬晶子- マツムラ・マサコ役
ビル・ナイ - ロバート・"ボブ"・ヘイズ役

製作 
2018年10月23日、ジョニー・デップがフォトジャーナリストのユージン・スミス役でドラマ映画に主演し、監督をアンドリュー・レヴィタスが担当することが発表された。

撮影は2019年1月に開始され、ビル・ナイ、美波、真田広之、浅野忠信、加瀬亮、國村隼がキャストに加わった。撮影は日本、セルビア、モンテネグロで行われた。


👆今の若い世代にはピンと来ないかもしれませんが、私の子供の頃は、株式会社チッソによる工業用水の海への垂れ流しがもたらした
【水俣病】
被害のニュースがテレビや新聞でよく報道されていたので、子供ながらに、
「公害ってこんなにも怖いんだガーン
との印象が強く記憶に植え付けられたものです。

過去には、水俣病を題材にした記録映画やらフィクション作品も作られたことと思いますが、正直、ほとんどの日本人にとって、既にそれらの記憶は遠いものになりつつあると思うんですよね?
それを21世紀の今、日本ではなく海外の作品として再びスポットが当てられた背景には、環境問題等に対する現状への危機感があるからなのでしょうか??

環境問題に関しては、学者や識者によって色々と意見が分かれており、軽々に結論付けられるものではないから、その問題提起の是非は置いておくとして、単純に海外の映画人が日本の過去の公害事件を扱った作品として、本作は良く出来ているのではないか、と私は思いました。←上から目線🙇‍♀

公開直後なので、極力ネタバレしない範囲で感想を述べさせていただきますと、製作陣が非常に丁寧に日本や日本人を描写しようとしている姿勢には好感が持てましたアップ
物語の展開が、ほぼ日本で完結していることから、登場人物もほとんど日本人だし、普通に日本語での会話が行き交っていて、観ている内に本作が海外作品であることを忘れてしまいそうになる。
それだけに、ロケ地の多くに日本以外の風景が使われていることにも特に違和感は覚えませんでした。
唯一、子役だけは日本人キャストを用意出来なかったのか?明らかに日本人の子供じゃないよね??って子を起用しているところが若干気にはなりましたが、それもまあ、看過できるレベルだったか・・・と😅


次に、物語についての感想としては、とにかくラストに出てくるユージン・スミス(ジョニー・デップ)渾身の最高傑作が全てをかっさらって行く感じでしたねえーん
あの作品は、実際にスミスがピューリッツァー賞を受賞した作品らしいですが、
【水俣病】
の真実を雄弁に物語るものであり、たった1枚の写真の持つ影響力、破壊力って凄まじいのだな・・・と実感せずにはいられませんでしたお願い
あの写真を見る為だけにでも、本作を観る価値は十分にあると私は感じましたねアップ
それくらい、あれは見る人の心を打たずにはいられない感動的な写真だと思いますぐすん

かといって、主人公のスミスが、決して清廉潔白な人格者として描かれているわけではないところもよかったです。
ていうか、むしろスミスは、常に酒浸りだし、すぐに自暴自棄になるし、交渉相手に利権による取り引きを持ち掛けられて心が揺れ動いたりもするし、で、結構しょうも無いオッサンなんですよね(笑)


⬇冒頭は、「ライフ」の編集長に文句しか言っておらず、やる気もほぼないwww


でも、だからこそ、ミナマタの地で希望を持って生きる為に懸命に戦う人々の姿に接し、徐々に写真家としての使命に目覚めていくスミスの心の変化を丁寧に追っていく作りが、物語に説得力を持たせる結果に繫がったのだと思います。


⬇写真家としての使命感に目覚めてからの表情が別人アップ


そして、そうしたユージン・スミスというリアルな写真家の姿を丁寧に演じたジョニー・デップの実力は、さすがで、圧巻でしたね拍手
その演技は、あのジャック・スパロウと同一人物には、とても見えませんでしたよ😊

さらに、忘れてはいけないのは、日本人キャスト達の素晴らしさですねおねがい



スミスに水俣病の真実を写真に撮って欲しいと依頼し、次第に彼と心を通わせていく、後の妻=アイリーン役を演じる美波さんが、ジョニデ相手に堂々とした演技を見せていて、とても魅力的でしたウインク







そして忘れちゃいけない、ヒロユキさんチュー
チッソ相手に被害者の賠償を求める運動のリーダーを務めるヤマザキミツオを終始熊本弁で演じております。
海外作品で英語を喋らず、日本語の、しかも地方の方言を使ってセリフを言う真田広之は、なかなかに貴重なのではないでしょうか!?
想定以上に出番も多く、地元住民の為の闘争に熱く燃えたぎるヒロユキの演技がたくさん見られたことは、ファン目線としても美味しかったですニコニコ
で、やっぱりヒロユキの声は美声だな~と聞き惚れた次第(笑)
姿は映らず、声だけが流れるシーンが多かったので、余計にそう思いました口笛

今回は、普段、海外作品で英語で演技をしているヒロユキや浅野忠信さん(水俣病患者の少女の父親)が日本語セリフオンリーで、普段さほど海外作品に出ているわけではない國村隼さん(チッソ社長)や、加瀬亮さん(水俣病患者にして、賠償運動の参加者)が英語セリフを多く喋っているというのも、面白い傾向ですね照れ




こうした海外作品に出演し、英語で演技をする・・・ということの裏には、新しいことへのチャレンジの為の多大な努力と向上心の強さの程が伺えます。
別に、海外作品にチャレンジすることが俳優としてのステイタスとは言いませんが、日本人俳優が広く世界で活躍出来るようになるのは、やはり喜ばしいことだと感じます。
なので、若い世代の俳優さんが、これからどんどん間口を広げて新たな地平に挑むのも悪くないんじゃないか、と個人的に思う次第です👋


⬇本編予告