初稿の仮人物設定。キャスト案を構成するときに作れといわれてリストにしたもの。最終的にあれこれ加わってもう五人ぐらい増えたような気がする。


・山崎馨

 42歳未婚。岐阜県出身。黒ブチの眼鏡、中肉中背で朴訥とした人柄。両親とも他界。
 滋賀の市立中学卒業後、当時中堅メーカーだった日本ベル産業の工場に就職。
 会社の成長とともに大阪本社の経理となり、奈良にマンションを購入。
 会社の経営悪化とともに子会社のベルテクノサービスへ転籍、解雇される。

・柴原亜季

 39歳死別。山口県出身。口数の少ない、陰のある女性。
 亡き夫が経営していた雑貨屋を引き継ぎ、長女冴子と二人で営んでいる。
 義理の両親も五年前に亡くなり、愛媛での身寄りは特にないが、実家に戻らず
店を守っている。

・高木博隆

 41歳未婚。愛媛県出身。元は地元の秀才で、期待されて東京の国立大学に入学、
卒業。その後旧大蔵省に入省し、一年前退官、愛媛から国会議員として立候補する
べく地元に戻り、地元の有力者榊大二郎の薦めで県議会議員に立候補するまで
愛媛地場の信金に勤務している。
 柴原亜季の亡き夫とは高校時代の同級生。

・柊銀次

 33歳既婚。東京都出身。痩せて長身で、よくしゃべり、明るく世話好きな男。
 東京の大学を卒業し、留学経験もある。「銀ちゃん」と呼ばれる。
 東京で不動産屋に勤務していたが、業績不振で退職、いくつか仕事を転々と
した後、ほのかとの結婚を機に四年前ほのかの実家の蜜柑農家を継ぐ。
 ほのかとの間にまだ子供はなく、ほのかの両親と四人暮らし。

・柴原冴子

 19歳。亜季の長女。浮いたところのない、しっかりとした女性。長身。
 地元の高校を卒業後、亜季の経営する店を助けるため、手伝っている。
 実はたいへんな酒豪で、亜季の黙認のもと独りでひっそり日本酒を飲むのが趣味。

・柴原実紅

 17歳。亜季の次女。県立高校に通う高校二年生。明るくておてんば。やや長身。
 高校ではバレーボール部に所属している。新しい自転車をねだったり、大学に
行きたがるなど、困ったことも言うが、優しい女の子。

・小出武

 40歳既婚。京都府出身。蜜柑農家。
 祖父の蜜柑農家を継ぐ。柊と同じく宴会要員。妻の出産と収穫期が重なり、
冴子の進めで山崎に手伝いを依頼する。

・古橋浩司

 45歳既婚。大阪府出身。大阪弁丸出しでよくしゃべる。
 日本ベル産業時代の同期。現在は五洋食品に転職して部長をやっている。
 不器用な山崎とは仲がよく、何かと面倒を見ていた。

・柊ほのか

 28歳既婚。愛媛県出身。東京の短大在学中に柊銀次と出会い、結婚する。
 柊と同じく、何かと世話を焼くのが好きな女性。

・河野宣之

 17歳。実紅の同級生で、自称実紅の彼氏。穏やかな男の子。
 近所の酒屋兼業農家の長男。たまに友達を連れて柴原家を訪れる。