③タロ・ジロの真実 | ☆えるわんこ☆

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【タロ、ジロは生きていた】


このニュースは直ちに「宗谷」へ、宗谷から日本へ、そして日本から世界中へ伝えられた。
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タロ、ジロの写真も世界中に送られた。
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だが、タロ・ジロ再会の喜びとは裏腹に、7頭の犬たちが鎖に繋がれたまま痩せ細った姿で息絶えていた。

そして残りの6頭の犬たちの首輪が外れていた。

彼らは自力で首輪を引きちぎり、どこへ行ったのか。

姿はなかった。



彼岸の日。
鎖に繋がれたまま発見された7頭の亡きがらを思い出のソリに乗せ、オングル海峡まで曳き1頭ずつ海に葬った。


最後の1頭が暗い海にゆっくり沈んでゆくのを見て、隊員の心は潰れそうになった。


「こいつら…さぞ腹を減らして…」


「許してくれ」




その後もタロとジロは昭和基地に残り、第三次、第四次越冬隊に参加。



しかし、1960年7月10日。
下痢と心臓衰弱のため、ジロが昭和基地で病死した。5歳だった。

厳しい南極の寒さに耐えたジロだったが、病には勝てなかった。


ジロ亡き後もタロは昭和基地に残り、越冬隊に参加。

隊員達からも親しみをこめて『昭和基地の主』さえ呼ばれるようになった。