「また、これを育てる羽目になるとは
思いもよらなかったわ。」
トットがそう呟いて
アリアドネと二人で奇妙な木を見上げていた。
マーサとタバサがアリアドネの下を来訪してから
数か月が経っていた。
アリアドネはタバサからの依頼を承諾したものの、
壮大な計画に自分だけでは手が足りないと思っていた。
そして、二人が帰ってからすぐにトットのもとを訪れた。
「なるほどね、それで
めずらしく私に頼みごとをしにきたわけね。」
アリアドネがタバサの計画の話を終えると
トットはフーンといった様子でそれだけ言った。
《やはり断られるかしら》
トットとは初めて出会ってから
《大地の息吹》入手の際以外は
ほとんど付き合いらしい付き合いがない。
お互いに相手に深く立ち入ることをさけてきた。
面倒事にかかわりたくない一心が
アリアドネの人と距離を置く生き方になって表れている。
《都合よすぎたかしら、、、》
今更ながら不安げにトットの答えを待っていると
「いいわよ、協力してあげる。」
「え!お願いできるの?」
さらりとトットの口から了承の言葉が出て
むしろアリアドネが驚かされていた。
そして、それから数か月経って今、二人は木の下にいた。
「森の民には私もいろいろと世話になっているし
かかわりあるの。
争いごとは嫌だけど
そうじゃない計画なんだから
喜んで協力するわよ。
でも、うまくいくのかしらね。」
「ちょっと心配ではあるけど、ね。」
今はトットの協力が得られて
とりあえずホッとしているアリアドネだった。
