ビーノのクラッチを分解する。 | 一石、月夜に(無駄)吠える。

ビーノのクラッチを分解する。

”2ストビーノの発信加速と登坂力の改善”というテーマで悪戦苦闘して既に3年以上。

確かにキャブ調整でそこそこまで改善したのですが、やっぱり何か足りない。

特に登り坂に差し掛かった時、回転が落ちるまでは勢いよく上るのですが、勾配が急になった途端、パワーダウンというか車で言うとトップからセカンドやローへのシフトダウンができないようなパワーロスが消えないのです。

という訳で、ひょっとするとその印象通りで、オートマのシストダウン機能が動いてないのではないか、もしそうならば、スタートダッシュののろさもセカンド発進するような感じとも受け止められる。

実は、以前にウエイトローラーを交換した時に、セカンダリ(後輪側)のホイールを分解すると、ロックナットがわずかに舐めているのを思い出しました。
多分、誰かがメンテした時に、うまく噛まさずに回して、少しだけ傷をつけたんではないか。

だから、前回のメンテ時でも、41mmレンチで締めても完全に締め切れないような、違和感を感じた。

 

よ~し、それならばと、メルカリで探してみるとリアホイールキットが沢山出ている。

その中から一番安い、ロックナット部分だけのクラッチセットを取り寄せた。

届いてみると、「うんうん、これは完璧!」と、ディスクは使えないけど、満足な印象で、しかし、分解してみると・・・。

あれっ?ホイールナットが41mmじゃなくて39mm!

39mmはHONDA系じゃないのかい?

調べてみると、YAMAHAビーノ系でも、ポッシュ系だけは39mmらしい。

という訳で、39mmレンチをamazonでお取り寄せ。

 

レンチも届きいざ分解!

 

ディスクは今付けているものを移植しますが、

ディスクを固定するスプリングが、なんと強化スプリングなのだ。

画像の上が取り寄せたものに付いていた強化スプリング。

下のほうが、ノーマルスプリング。

4巻きと5巻きの違いと、太さも見るからに太い。

それならばと、センタースプリングも強化ではないのか。

 

 

と言っても、スプリングレートを測れない。

思案の末、取り寄せ分と現行分のホイールローターを組み立てて手で引っ張ってみると、確かに取り寄せ分のほうがかなり固いのです。

うん、間違いない。

ロックナットだけを期待したのだけれど、スプリングも強化型が入っていました。

 

さて、全て分解して、洗浄・グリスアップ、ついでに少しだけ塗装も。

ピカピカになったパーツを見ながら、思わずニヤニヤが止まらない。

何故かピカピカにすると高性能を発揮するという迷信を、私は経験から信じています。

トルクカムもストレスなく動くし、ロックナットもガッチリ締まります。

今回のセッティングは、センスプだけを強化型にして、ディスクスプリングはノーマルのまま。

低速時のシフトダウンを期待します。

 

最近、分解も組み立ても上手になったようで、組付けは20分くらいで完了。

近所の試走では、今までとは全く違うフィーリング。

スタートもグイって出るし、登りもパワーを食われながらも前に出る。

よし、80点!

駆動系の大切さを痛感しました。

 

駆動系が完璧になった途端に、やっぱり動力系の不調が目立ってきました。

いじりまくったキャブやピストン。

悪くはないのですが、バランスが悪いのです。

だんだん本性が見えてきます。

機械は、一つ一つ丁寧にメンテすることが、結局一番の近道なのですネ。

これから夏に向かい、燃調を試してみましょう。

きっと、ビーノの爆発的な本性が顔を出してくれるでしょう。

そして、最後に、プラグと燃料も忘れずにテストして、そろそろ6万キロ。

人間でいうと、80歳、いや100歳を超えているかもしれません。

がんばれVino!