Vino(ビーノ)のオイル漏れとRブレーキディスク交換とピストン交換(その3) | 一石、月夜に(無駄)吠える。

Vino(ビーノ)のオイル漏れとRブレーキディスク交換とピストン交換(その3)

さて、新しいオイルホースが届きました。
最近、汎用になったそうで、倍くらい長めのホースで、切って使ってくださいとのこと、580円でした。

vinoオイルホース内径  ビーノの新しいオイルホース
左が古いホースで、右が新しいホースです。
内径は基準値どおりの5mmです。
取り付けは簡単、クリップをずらして、引き抜くだけなのですが、
新しいホースのエア抜きに注意します。
まず、上のタンク側をひっこ抜き、間髪入れずに新しいホースを差し込みます。
そのとき、古いホースは垂らさないように上向きに固定して、下のポンプ側にエアが入らないようにします。
そして、取り付けた新しいホースの下側からオイルが出てくるまで待って、ホースの中をオイルで充満させます。
次に、下の古いホースを引き抜いて、ポンプから垂れないうちに、素早く新しいホースを差し込みます。
若干、オイルまみれになりますが、素早くやるのがコツです。
後は、クリップで固定して、パーツクリーナを吹き付けて綺麗にしましょう。

さて、完璧と思いきや、翌朝見てみると、オイル漏れが、止まってない。
ホースバンドも、貧弱な純正に変えてホームセンタでダブルリングのバンドにしたのですが、わずかですが、コンクリートに垂れているのです。

ビーノのオイルクリップ
よく見ると、ゴムホースの取付け口から少しずつ滲んでいます。
それがホースを伝って、垂れているようです。
う~ん、わからん!
まさか、タンクの亀裂なのかと、よく見てみるのですが、ホース側からにじみ出ている感じです。
次回、キャブ調整の時にでも、カウルをはずして観察してみましょう。


では今回のテーマ、ピストンの交換です。
別に、焼き付いたわけでもないのですが、もう30,000kmも走っているし、オイル漏れとRディスクパッドの交換でカウルやマフラーを取り外すので、どうせバラスのなら一緒にやってしまいましょう、ということで社外品ですが、ピストンキットを入手しました。

ビーノのピストンキット
じゃ~ん、新品キットです。
見ているだけでワクワクします。
まずは、暖かいお部屋で、事前の準備をします。


ビーノのピストンリング  ビーノのピストンリング

ピストンに、リングを取り付けます。
よく見ると、ピストンにストッパーのポッチみたいなのが打ち込んでありますから、それがちょうど継ぎ目に来るようにセットします。
普通は、エンジン本来にシリンダーを組み込んでからピストンをセットするのですが、ビーノは横置きエンジンで作業がやりにくいので、先にピストンをシリンダーにセットしたほうが簡単です。
十分なオイルをピストンとシリンダーに塗ってから、指でリングを押しながらシリンダーに入れてゆきます。
そのときに、先ほどのストッパーにリングエンドがきっちりはまるように気をつけましょう。
うまく2本のリングがシリンダーに収まったら、ピストンは軽い力でもスイスイ動いてくれます。


ビーノのサークリップ

次は、ピストンピンを止めるサークリップを片方だけ取り付けます。
実はこの作業の中で、サークリップの取り付けが一番難しいです。
最終段階でもう片方のサークリップを取り付けるのですが、これがなかなか入らない。
だから、暖かいお部屋で、片方だけでも取り付けておきます。
取り付けるのは、排気ポートを下にして左側、つまり、車体の左側に付けると、最後に、右サイドから作業ができるので楽です。


ビーノのピストン

ピストンの向きは、ピストンに刻印がある矢印が、排気ポートに向くように取付けます。
間違ってたらゆっくり無理な力が入らないように、ピストンをまわしましょう。

そこまで準備ができたら、寒いガレージに向かいましょう。
カウルを全部はずします。
ビーノのカウルをはずすのは、ジグゾーパズルみたいなものですね。
しかし、よくこんな複雑な構造にしたと思います。
カウルをはずすとエンジンが見えますが、それを覆っているカバー(エンジンシェラウド)をはずします。
これもカバーが見えないところで連結されていますから、ユックリあせらず手前に引き抜く感じではずします。

ビーノエンジンシェラウド

まずは、プラグを点検しましょう。
ビーノプラグ  ビーノプラグ
カーボンで真っ黒です!
番手は7番なので、冬には少し高いかなって思ってはいたのですが、交換して半年なのに、これじゃぁ、交換必須ですね。
それにしても、電極だけではなくて、ネジ部分やボディのところについているベトベトのグリスみたいなオイルが気になります。
ビーノのプラグをねじ込む穴(プラグホール)は、エンジンシェラウドの上からブーツがかぶるので、シェラウドとヘッドが密着していないため、そこに隙間があります。
その隙間からプラグホールにオイルが入り込むのでしょう。
それにしても、あんなところにオイルラインがあるわけでもなく、何のオイルが付着しているのでしょうか。
この疑問は、最後の最後に判明するのですが、答えはマフラーです。
*詳しくは、最後の最後に書きましょう。



ビーノエンジン

では、ボルト4本をはずして、エンジンヘッドを点検です。

ビーノエンジンヘッド  ビーノエンジンヘッド


ヘッドの内部燃焼室は、予想通りのカーボン付着ですが、
まあ、こんなもんでしょう。
パーツクリーナとブラシで洗ってきれいにします。
古いガスケットも問題ありません。
でもしかし、プラグに付着していたベトベトグリスが、ヘッドの外側にも付いています。
これは、そう簡単には取れません。
-ドライバーで削りとるようにふき取り、それから556で柔らかくしてパーツクリーナとブラシでゴシゴシ綺麗にします。
これじゃぁ、冷却効果は半減ですよね。

次は、シリンダーを抜き取りますが、シリンダーを手でつかんで少しこじりながら引き抜くと、以外にも簡単に抜き取れました。
中にピストンが入っているので、あんまり強い力を加えると、コンロッドのベアリングが痛みますので、そっと抜き取ります。

ビーノエンジン


はい、ピストンが見えました。
汚いですね。

ビーノエンジンシリンダーをはずす

ピストンとコンロッドをつないでいる、ピストンピンを抜き取ります。
まず、サークリップをはずしますが、純正はまん丸なのでラジオペンチで摘み取れません。
先が細いマイナスドライバーで、こじりながらはずしましょう。(結構苦労します・・・)
クリップが取れたら、反対側からそっとピンを押すと、すっと抜き取れました。

ビーノコンロッド
ピストンが外れると、コンロッドが見えます。
この中に、ピストンピンを支えるベアリングがあるので、抜き取って点検しますが、問題ないようです。
このとき、4本のスタッドボルトの緩みを点検し、もしガタついたりゆるみがあれば、ダブルナットをかけてきちっと締めこみましょう。
そして、ガスケットをスクレイパーで綺麗に剥ぎ取ります、
が、が、が、しかし、ガスケットが無い。
眼が悪いのかと、老眼鏡をかけ直し、光を当ててみても、ガスケットが無いのです。
2ストエンジンなので、クランク室には混合気が充満するので、ここは密封してないとまずいですよね。
ガスケット無しで、金属同士で密着していたのでしょうか。
それとも、圧縮比を上げるための秘策なのでしょうか。

前オーナーはJKだったので、マニアックな改造ではないと思われますが、
そういえば、以前走行中に、突然パンパンという音と同時にストップしてしまいましたが、その原因は、プラグ抜け。
走行中にプラグが抜けるなんて、聞いたこともありませんし、そんなゆるゆるの状態でエンジンが回ること自体が不思議です。
でも、事実は事実で、プラグコードと共にぶら下がっていたプラグを、指で締めこんで、家まで帰った記憶があります。
一体、前メカニックは、どんなメンテをしていたんでしょうね。

まあ、そんな感じで、心を取り直して、新しいピストンユニットを取り付けましょう。
まずは、古いピストンの点検です。

ビーノピストン点検  ビーノピストン点検

まるでお好み焼きのようですね。
ピストンクラウンヘッドはボロボロです。
ピストンリングは折れてはいないようですが、スカートは圧縮漏れのカーボンが付着し、立て傷も深いです。
写真は、排気側ですが、反対側も似たようなもんでした。
こんな状態でも、エンジンって回るんですね。
たいしたもんだ。

ビーノシリンダー点検
これは、シリンダーの排気ポートですが、はっきり立て傷が付いています。
限界なのでしょうが、バラして初めて分かるんです。

結果として、今回交換して正解でしたが、今までそれほどの不具合も無く、普通に走っていたということは、この状態でも走行には問題ないのかもしれません。
もちろん、経年劣化による性能のダウンは否めませんが、突然ストップするようなことは無く、この品質がメイドインジャパンなのでしょう。
技術の本質を垣間見たような気分です。

それでは、一服した後、組み立てに入りましょう。
<次回に続く・・・>




 

 

 

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