高熱を出して
抗生剤を飲んで
下痢して
しばらくすると黒色便が出て……ガーン
娘に報告の電話をした。

その返事は

痛がってないようなら施設で様子を見て欲しいです
ただ、痛がったり容態が悪くなったら連絡をください。急変することもあるとおもうので、その時は救急搬送をお願いします。

という事だった。


施設側として
    

救急搬送を希望するなら、異常がある今のうちに受診をして欲しい。

と、お願いした。


そして水曜に受診すると家族は決めた。
それは、下血から8日後だった。

結局


認知症もあるし
以前に大腸の検査をした時も痛みが強くて途中で検査をやめたし
今回も痛がるんじゃないか?
鎮痛剤を使わないとダメだし
退院の時の迎えで平日はみんな予定があって無理だし
近くに居れば立ち会いや付き添いも出来ると思うから
他施設へ変わりたい

と、これが最後の家族の気持ちだった。







これはノンフィクションです。

真顔登場人物の紹介

老人ホーム→湯婆婆の館

看護師→S子

看護師→アナーハリネズミ

相談員→茶瓶お茶

入所者→ヒロシじいちゃん



では、始まり!!






S子「今のところ、ヒロシじいちゃんは少しずつ出血も減って、丸一日下血は見られていません。やっと止まりましたかね〜。」


🟡次女「私、思うけど…痔ちゃうの❓


🔴長女「ははははははゲラゲラゲラゲラホンマやなゲラゲラゲラゲラ


S子「痔❓その程度の出血なら良かったんですけどね照れ



なんだか

失礼な言い方だえー

S子はますます

「早く退所しろ‼️」

って思った。



S子「痔なら良かったですけどね。かなりの出血量ですし、黒い便も出てましたから無気力


🔴長女「そうですか…」


S子「まあ、今後他県に行かれて、検査できそうなら、検査してもらえば、何が異常だったかわかると思います。」


🔴長女「・・・」


S子「検査は苦痛を伴うものですから、それも踏まえて…御家族が近くに居て、検査できるなら検討されてもいいのではないかとおもいます。」


🔴長女「そうですね。検査入院するにしても、送迎とか付き添いとか考えると近くがいいですしね。」



そんなこと

こうなる前に

容易に想像出来ると思うけどなあー



🔴長女「もしも、今日、受診してて、迎えに行くってなっても、大変でしたから…とりあえず出血が止まってるということで安心しました。」


S子「とりあえずは止まってます。」



検査したい

入院もしたい

受診したい


でも

施設と家の距離が片道3時間だから

無理ピリピリ



話し合いの中で

何度も何度も

長女はこう言っていた。


遠方に住む家族は

必ず

遠方である事を言い訳にする。


この家族も例外ではなかった。



S子「このまま出血が止まった状態で他県に行けたらいいなあーとは思いますが…」



🔴長女「うん、うん」



S子「移動に時間もかかりますので、出来れば体調のいい時に行けたら…とも思いますし。」



🔴長女「まあ、認知症もあるし、訳の分からないうちに到着するでしょう。」



S子「認知症があっても、何かしら感じるものはあると思いますので、多少なりともストレスがかかるとは思います。」



🔴長女「でも、他県に行けば、私達が近くに居ますから。」



🟡次女「そうですね。近くに居ますから」



🔴長女「最初のうちは頻繁に面会に行けたら…と思います。」



S子「そうですね。ぜひ、そうしてあげてください。」



🔴長女「母も退院したら面会に行けますし。母も父の事でいっぱいいっぱいになってますから。」



🟡次女「そうそう、お父さんのことしか考えてないもんなあー」



🔴長女「あんたらに任せるから…と言いながら、何だかんだ言ってきますから。この間もお父さんの夢見たから会いたいって言ってましたし…」



この辺で、仲良し家族ごっこに疲れたS子は…


S子「茶瓶さん、面会するなら1度肉団子に許可をもらって来ましょうか❓」



と言って

退室し

肉団子に許可をもらって

許可が出た事を伝え

S子は退散した。



そして、他県の施設に移ったヒロシじいちゃんは…