登場人物の紹介
老人ホーム→湯婆婆の館
看護師→S子
看護師→アナー
相談員→茶瓶
入所者→ヒロシじいちゃん
では、始まり
熱がでて
抗生剤を飲んで
下痢をして
すぐに治まると思っていた
S子「アナーさんヒロシじいちゃん黒色便」
アナー「ええええー」
S子「あの抗生剤のせいかな❓」
アナー「そうかもしれませんねー。」
S子「ドクター、ヒロシじいちゃんなんですが、黒色便が出てます。」
黒色便とは
便秘の人でこげ茶色の便のことを黒色便と間違われてくる方がおられますが、本当の黒色便は、真っ黒です。
これは、食道や胃、十二指腸から出血していることを意味します。例えば胃潰瘍や胃がんから出血した場合、胃酸が血液中の鉄分を酸化させて黒い便が出てきます。
なお大腸からの出血では胃酸の影響はないため、黒い便とはなりません。また、貧血の治療で鉄剤を内服しているときも、同様に黒い便となります。
👨⚕️ドクター「ええーなんでや」
S子「わかりません。」
👨⚕️ドクター「抗生剤飲んで下痢するって言うてたなあー」
S子「はい。」
👨⚕️ドクター「それの引き続きかな❓ちょっと待ってよ。調べるわ🔎📖」
👨⚕️ドクター「抗生剤の副作用か…」
S子「やっぱり、そうですか…」
👨⚕️ドクター「うん🤔偽膜性大腸炎とも書いてあるなあー」
偽膜性大腸炎はこんな病気
偽膜性大腸炎とは、大腸の粘膜表面に数mm程度の白色調をした半球状の膜(偽膜)の形成を特徴とする病気です。
抗生物質の服用によって正常な腸内細菌のバランスがくずれ、ある種の菌が異常に増え(菌交代現象)、大腸に炎症を起こすことがあります。
この代表的なものが感染性大腸炎の一種である偽膜性大腸炎です。抗生物質の使用に伴う菌交代現象を背景に、異常増殖したクロストリジウム・ディフィシル菌が産生する毒素により、腸管粘膜が傷害されることによって発生するといわれています。
この菌は、栄養不足や乾燥、熱など増殖に不都合な環境になると、菌の体内に芽胞という耐久性の構造物を形成します。これによって胃酸などにも強い抵抗性を示し、自らを守りながら人体の口から腸まで容易に到達することが知られており、体外環境でも長時間生存できます。
偽膜性大腸炎の症状
主な症状は下痢です。抗生物質の投与後、数日~2・3週後に頻回の水様便、粘液便などがみられ、腹痛や38℃を超える発熱などを引き起こすこともあります。
重症例では血液の混じった下痢になったり、低蛋白血症、電解質異常、麻痺性腸閉塞、中毒性巨大結腸症などを発症することもあります。
👨⚕️ドクター「とりあえず、薬を出すから…すぐに飲ませて。それと消化管出血してることには間違いないから、家族に伝えて。」
S子「はい、わかりました。ドクター、家族が検査を希望したら……」
👨⚕️ドクター「検査❓んー🤔カメラするか❓」
S子「家族がどう言うかは分かりませんが……」
👨⚕️ドクター「家族が検査するって言うても、ヒロシじいちゃんの認知症の程度で、検査できるかな❓🤔無理ちゃうか❓」
S子「それも含めて、娘さんに伝えてみます。」
👨⚕️ドクター「うん、そうして。」