登場人物の紹介
老人ホーム→湯婆婆の館
看護師→S子
看護師→アナー
相談員→ジェントルマン
利用者(おばあちゃん)→アリババ🐜
長男→ケンジ郎
孫→歩美ちゃん
では、始まり
📱「リーーーーーん、リーーーーーーん」
歩美「もしもし」
S子「もしもし、湯婆婆の館の看護師のS子です。お世話になります。」
歩美「あっ、S子さん、お世話になっております。」
S子「アリババの事でお電話させていただきました。ジェントルマンからもお電話があったと思います。」
歩美「あ〜はいはい、ありました。」
S子「それで、歩美ちゃんからお電話があるまで待つ予定だったんですが…」
歩美「あ〜、はいはい」
S子「嘱託医ドクターに電話で意見を聞いたところ…食事が取れない今の状態で、骨折の手術目的で入院するのは難しく、嘱託医ドクターとしても病院へ紹介は出来ないと言われました。」
歩美「あ〜、そうなんですね。」
S子「すみません。」
歩美「お父さんと話をして、骨折の手術してもらう為に入院させようかな〜って言ってたんです。」
S子「ああー、そうですか…それが出来たら良かったんですけど…、転倒した直後なら、食事もできてたのに…後悔ですね。」
歩美「はい」
S子「あと、ドクターはアリババ本人の容態だけを考えて看取りをしたらどうかと言ってます。でも…」
歩美「そうなんですね。」
S子「でも…S子はアリババ目線ではありません。」
S子「S子は、家族の立場で、どうする事が1番いいかを考えています。家族には後悔して欲しくないので、施設での看取りに悩んでいるようなら入院した方がいいと思います。」
歩美「はいはい。」
S子「ドクターからの紹介がない状態ですので、病院を探すのは大変だと思いますが…」
歩美「まあ〜、そうですね。」
S子「そして、万が一ですが、病院を探す間にアリババが亡くなってきまう可能性もあるということをご承知しておいてください。」
歩美「あ〜はいはい。」
S子「すみません。よろしくお願いします。」
歩美「はい、父と相談してから、お電話します。」