長男のケンジ郎は「歩美に相談します。」
孫の歩美は「父のケンジに相談します。」

お互いがお互いに「相談」ってあせる


いつまでも、電話を待つだけじゃダメだと判断したS子は……





これはノンフィクションです。

真顔登場人物の紹介

老人ホーム→湯婆婆の館

看護師→S子

看護師→アナーハリネズミ

施設嘱託医→ドクター👨‍⚕️

相談員→ジェントルマンお父さん

利用者(おばあちゃん)→アリババ🐜

長男→ケンジ郎パグ

孫→歩美ちゃんおとめ座









では、始まり!!




ドクターに電話連絡した。


S子「もしもし、ドクター。相談です。」



さあ、ドクターの判断は❓



👨‍⚕️ドクター「どうしたんや❓」



S子「今年の一月に特養待ちでショートステイに入所したアリババなんですが…」



👨‍⚕️ドクター「骨折したおばあちゃんやな❓」



S子「そうです。1月終わりに転倒して、手も足も骨折したアリババです。」



👨‍⚕️ドクター「うん、覚えてる。」



S子「食事が減ってきています。もともとショートステイの時から食事量は少なくて…特養待ちする前にインフルエンザで入院しているんです。」



👨‍⚕️ドクター「うん、紹介状に書いてあるわ」



S子「インフルエンザで入院して、退院と同時に湯婆婆の館の特養待ちをしているんですけど…、食事が減ってきた事で、終末期を視野に入れないといけない状況で、家族に説明をしたら悩んでいるんです。」



👨‍⚕️ドクター「悩む❓なんでや❓湯婆婆の館に入所を希望するということは、看取りを希望して入所してるはずやろ❓」



S子「そうなんですけどね。看取りの同意はもらっています。でもね…もともと看取りの説明をする時から、少し悩んでいたんです。でも悩みながらでも看取りの同意書にはサインをしたので、その時点で入所を断ることは出来ませんから……」



👨‍⚕️ドクター「ややこしいなあー💦」





終末期が来ても

延命はせず

その人らしく生き抜く事への

援助をする


それが湯婆婆の館の取り組みである。


それを覚悟できない家族には

家族の希望に添える施設を探してもらう

と、いうのが

基本的なドクターの治療方針である。


そして、今回

アリババの家族には

十分時間をかけて説明している。



S子「それで、S子からの提案なんですが、今の状態で終末期に対する考えが看取りでは無いなら…骨折を理由に入院できませんか❓」



👨‍⚕️ドクター「手術するって事か❓」



S子「はい」



👨‍⚕️ドクター「家族が望んでるんか❓」



S子「いいえ、S子から提案しようと思います。どんな理由でもいいので、とりあえず湯婆婆の館を退所してもらわないと、看取りが出来ない入所者を食事が入らない状態で預かるのは危険ですから。このまま亡くなると家族も後悔すると思います。」



👨‍⚕️ドクター「そうかあー、骨折の手術は難しいなあー」



S子「そうですか…骨折から時間が経ちすぎですか❓」



👨‍⚕️ドクター「いや、別に3、4週間経っても手術はできるよ。」



S子「そうなんですね。アリババはちょうど3週間くらいですけど…」



👨‍⚕️ドクター「でも、そういう問題ではなくて…体力的な事や。食事が出来ない状態になってる高齢者の骨折の手術は無理や。全身状態が悪い証拠やからなあ。そんな状態で手術をお願いいしますって、紹介しろと言われたとしても、ワシは紹介は出来へんわ。」



S子「そうですかガーン食事が出来なくなってきたのは、過去にもあったんですけど…インフルエンザで入院した事をきっかけに、少し全身状態も良くなっていたんです。でも今回は骨折の後ですし、骨折が食欲低下を誘発している恐れはあると思います。」



👨‍⚕️ドクター「そうやな、S子くんの言う通りや。」


S子「なので、骨折したままで、延命してもらえる病院を探すしかないって事ですね。」


👨‍⚕️ドクター「うん、湯婆婆の館での看取りを拒むなら、そうなるなあー。ワシは看取りをしたらええと思うけどなあー、おばあちゃんのためにも。平均寿命も越えて、こんな長生きして、認知症もあるし、まだ延命を望まれて、点滴したところで苦しいだけやぞ。精神疾患もあるし…家族に看取りをもう1回進めてあげたらどうや❓」


S子「わかりました。ドクターの意見も伝えながら、家族にもう一度説明します。」


👨‍⚕️ドクター「うん、もし、延命を希望しても、受け入れ病院があるかどうか…保証出来へん。」


S子「はい、もし、延命を希望するなら、そこは家族とケアマネに頑張ってもらいます。」



S子は

自分で

孫の歩美に電話した。


もちろん

ドクターには悪いけど

看取りを勧めず

病院探しを勧めた。