これは実際にあった老人ホームでの出来事です。
主な登場人物の紹介
主な登場人物の紹介老人ホーム→湯婆婆の館
看護師→S子
施設トップ→肉団子
相談員→茶瓶
介護士→大森さん
介護士→ガリクソン
介護士→でめきん
おばあちゃん→サザエ婆ちゃん
では、始まり
大森さん「ちょっとS子さん、見た？サザエ婆ちゃんの顔」
S子「見てない。どうしたん？」
大森さん「いいから、見て見て！すごいから」
朝、出勤するとすぐに夜勤だった大森さんがS子に小声で話しかけてきた。
その日は朝から体調の悪いおじいちゃんがいたのでS子はすぐにサザエ婆ちゃんの所に行けず…
バタバタと業務をこなしていた。
大森さんに声をかけられてから1時間くらい経っていた。
S子「サザエ婆ちゃん、熱を測りましょうか？」
そう言って顔を覗き込むと…
えー
どうしたん？その顔。
腫れてるし青アザができてるやん。
誰とボクシングしたん？
サザエ婆ちゃんの左目の周囲と左頬に6〜7cmの青アザが出来ていた。
サザエ婆ちゃんは左頬を触りながら「痛い」とつぶやいた。
大森さん「たぶん、でめきんの仕業やで！」
S子「え？どういうこと？殴ったって事？」
大森さん「たぶんやで。昨日の晩、サザエ婆ちゃんが弄便（ろうべん）したんや。それに腹を立てたん違うか？でめきんが処理したから。」
💩弄便（ろうべん）とは
自分が排泄した便を素手でいじったり周辺になすりつけたりする行為の事。💩
弄便行為は介護者の大きなストレスになり頭を悩ませる行為の一つであることは業界の人なら理解できると思う。
でも
でも
でも
でも
でも
顔面に右ストレートパンチはあかんやろ🤛
ガリクソン「でめきん、疑惑がいっぱいあるからそう言われても仕方ないわ。でも証拠ないからなあー。」
大森さん「そうや、証拠はない。でもたぶん…でめきんやで」
S子は危機を感じ茶瓶に報告した。茶瓶は介護士の指導係でもある。たぶん…ではなく、事実を突き止めキチンと対処しなければならない。
茶瓶に報告すると
茶瓶「あーそうなんかー。でめきんさんには今まで何回も指導してるんやけどなあー。本人に聞いて事実を確認しても証拠がないから本人の言う事を信じるしかないやろ？いつも、やってないって言うんや。だから今回も同じことやで」
S子は、でめきんさんがそんなに何度も指導を受けているとは全く知らなかった。
茶瓶「肉団子に報告して対処方法を仰ぐわ」
肉団子の出した答え
それは
事故報告書でもなく
始末書でもなく
本人への事実確認の指示でもなく
【朝礼で全員に注意換気する】
これが肉団子の出した甘ーい結論だった
それでも施設のトップか〜
目の周りの青アザを見て
どこにぶつけてあの青アザができたと言うのか❓
机？
ベッド柵？
壁？
誰がどう見ても…
でも証拠なし。
S子はサザエ婆ちゃんの家族が面会に来て苦情を言う事を期待しながら、今も湯婆婆の館で働いてる。