6月24日の深夜、ニュースで蘇州で日本人親子が切り付けられた事件の一報を見た。
私は蘇州の事件現場のすぐ近くで、一年程生活した経験がある。
スクールバス待ちをしていた親子とバスアイ(バスに乗車して、子ども達のお世話をする女性の事。阿姨:アイとはおばさんの意味)が犠牲になってしまった。バスアイは意識不明の重体。
蘇州は上海より保守的な街だ。
切り付けたのは、地元民との報道。
事件の詳細は、まだ発表はされていない。
蘇州に比べ上海は、日本人への反感や風当たりは弱いように感じる。
私が上海に住んで13年目だが、治安に関して恐怖を感じた事は、正直一度もない。
夜遅く、深夜だって女性の一人歩きは怖いと感じた事がない。
よっぽど長く住んでいた東京新宿での夜の女性の一人歩きの方が、何度も怖い思いを経験した。
上海は日本よりも、大変安全だと感じている。
但し、注意は必要だ。
私は13年、いや中国生活が通算17年目に入ったが、街中では自分が日本人だと悟られないように、気を付けて行動している。
目立つ衣服や、お金を持っている風な恰好やブランドのバッグは持たない。
外国人だと目立たないように注意している。
2004年当時、初めて住んだ天津では、「指輪をしていると指毎切り落とされるよ!」と注意されたことがある。
当時は、ちょっと物騒だった。
だから、宝石は極力身に付けないようにした。
中国も北の地方は、過去の戦争の影響で反日感情がとても強い。
その後、山東省の青島大学で教鞭を執る機会があったが、初めてのクラスで学生達が私に質問する常のことは、「中国へ侵略戦争したことについて、日本人としてあなたはどう考えるか?」という事だった。
天津に居た時も、青島に居た時も、毎日の生活で反日感情は強く感じた。
だから、街へ出たなら極力自分が日本人だという事を悟られないように気を付けて行動した。
2011年から上海で生活しているが、ここはやはり他の都市とは違う。
教養の高い人達は、いつまでも過去の戦争を引き合いには出さない。
私は目に余る日本人へのヘイトの経験は無い。
目立たないように、ひっそり暮らす。
この国の人々に不快な気持ちや迷惑を掛けない事が、この国で長く生活する秘訣だと、私は自分に言い聞かせてきた。
明日、上海領事館から日本人への注意喚起がメールで配信されることだろう・・・。
子ども達やその親御さんには、学校から注意喚起がなされるろう・・・。
現在、上海日本人学校は家から一歩外に出る時は、必ず親が一緒に行動するようにと注意喚起している。
だから、子ども達はコンビニにちょっと買い物に行くとか、塾に一人で出掛けるということは許されていない。
日本人を乗せたスクールバスは、決まった時間に決まった場所へ停車する。
今回の事件は、その事情を知っていた人物の犯行だ。
私が自分の教室へ行く時に、決まってスクールバス待ちの母親達の前を通る。
先日、その母親達の前を通った時に、彼女達の話し声が大きく、周りからも目立っているように感じた。
私は、その様子を見て「ちょっと危ないなー」と正直感じていた。
2005年、私が青島で生活していた時に、日本人が多く住んでいるマンションの前に止まったタクシーから降りてきた日本人親子を、地元民が危害を加えた事件が起きた。
いつも誰かから見られている・・・という感覚を持つことは、外国で生活している者には大切かもしれない。
(実際、色々管理されてはいるのですが・・・(;^_^A))
異邦人である以上、この国で生活させていただいている・・・という感覚も、心のどこかに忘れてはいけないといつも思っている。
人は取り入れる情報によって、良くも悪くも思考が形作られていく。
世界平和を誰もが望むが、世界はそれを達成出来ない。
異なる国民間で、傷付け合うのはいい加減もう辞めようではないか!
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