子どもに書写指導を行って40数年。
わが子の文字が汚なすぎる、或いは酷すぎるという理由で、最近当教室の門をたたく方が少なくない。
最近の傾向として、小学校高学年になってから、はたまた中学生になってから、担任の先生に「お子さんの文字が酷すぎて読めない・・・」という理由で注意を受けて、当教室へ駆け込んで来る。
それらの子ども達に共通するのは、酷い鉛筆の持ち方と文字を書くときの姿勢の悪さ。
あれでは、文字を書くときに手が疲れるし、肩も凝って体にも悪影響だ。
しかし、小学校高学年や中学生になってから、きれいな文字を書くお稽古を始めるのでは大変遅すぎる。
第一、酷い文字が読みやすい文字に変化するにはとても時間が掛かる。
それはその学年にとって時間の無駄だと感じる。
小学校高学年や中学生は、勉強も忙しくなり塾通いで時間がないはずだ。
何度も何度も口を酸っぱくして申し上げていることだが、子どもに文字をきれいに書かせたかったら、就学1年前が絶好の時期なのだ。
でも、多くの親御さんはこう考える。
文字は小学校に入学してからでも遅くないと・・・。
しかし、何度でも申し上げますが、それでは遅い!!!
子どもの脳の造りから考えても、絶好の時期は小学校入学前ですよ。
子どもが文字に興味を持ったその時を見逃してはいけない。
何度でも申し上げますが、最も賢い文字学習のスタートは、就学1年前ですよ。
これまた多くの親御さんのミスチョイスだと思うのが、毛筆を始める時期だ。
こちらも毛筆が始まる小学校3年生が良いと考えている親御さんが多い。
授業で始まるなら、その1年前から備えると良い。
1年間当教室で毛筆を学ぶなら、平均的な進度は、10級から始めて1年経つと3級位まで進歩出来る。
才能と熱心にお稽古する子どもなら1級まで進級している。
小学2年生で毛筆を始めたら、小学3年生で毛筆の授業が始まり、毎授業で上手に書けて先生に褒められ子どもが自信を持つ。
毎回の授業で、「○○さん、上手だね!」と、先生に褒められる。
当教室でお稽古している子どもは、毎年こんな体験を私に語ってくれる。
子どもは褒められて自信を持ち、自己肯定感も充実する。
クラスメートからも羨望のまなざしで見られる。
このような事が、私の教室へ通う子ども達が毎年経験している事なのだ。
先日、昨年早稲田渋谷シンガポール校へ入学した生徒の親御さんから、この春の卒業式で、ステージに大きな文字を代表して書いたという報告を受けた。
彼は小学生から通い、受験ギリギリの数か月前までと、受験が終わった数か月も熱心にお稽古に通って来てくれた。
今はきっと、大きな役目を果たして大きな自信を持てたことだろう・・・。
文字がきれいに書けることは、一生の宝だ!
親の皆さん、子どもの学ぶ好機を見逃さないでいただきたい!