「元永本古今集」の臨書です。
とある仮名の書道会の先生のお話。
「展覧会映えしにくいという理由で、『元永本古今集』は敬遠されがちですね。私は、それはそれは大変美しい古筆だと思っていますが」とのこと。
『元永本古今集』を基調にした作品は、見たら多分分かりますが、展覧会ではほとんど見ない気が。
違う系統のものが圧倒的に多いですね。
ただ、色々な先生の作品集などを見ていると、「あ!」と思うことがあったりします。
これは間違いなく『元永本古今集』から集字している!とか。
見つけると嬉しいです。
作品を書いた方に直接尋ねないと本当のことは分からないですが。
本当のことは分からなくても、何だか嬉しいのです。
本当のことは分からなくても、自分の感覚で「あれっ!」と気づく……
そんな経験がありました。
最近『星の王子さま』を読みました。
はい。
名作中の名作ですが、まだ読んだことがなかったのです。
読んでいたら、あれっ!?
と思いました。
『天空の城ラピュタ』で使われている「君をのせて」という曲の歌詞に、大変よく似た文を発見したからです。
ちなみに「君をのせて」は、歌詞がちょっとつかめないなぁとずっと思っていました。
『あの地平線 輝くのは どこかに君を隠しているから
たくさんの日が 懐かしいのは あのどれかひとつに君がいるから』
という部分です。
私が読んだ『星の王子さま』の翻訳に……
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を、ひとつかくしているからだね」という、王子さまの言葉があります。
また、「君が星空をみあげると、そのどれかひとつに僕が住んでいるから」など、似たようなものも。
もしや、これに影響を受けているのでは!
ただの偶然かなぁと思って、ネットで検索しましたら、それについての意見がたくさん出てきました。
別に新発見でもなかったわけですね(笑)
空から人が落ちてくる、という設定など、なんだか色々と共通する要素もあるなぁと。
これが本当かどうかは分からないですが、もしそうだとしたら、面白い。
名作から生まれる名作。
美しい古筆から生まれる、美しい作品。
古くからあるいいものというのを知ると、より現代のものが楽しめたりするなぁと思いました。
まぁ、こういう発見も1年に1回あるかないか。
「今昔物語集」を読んでいたら、「え!芥川龍之介やんか」という発見は、昨年ありました。
赤松、知りませんでした。
情報の多い時代で、「そんなこと、ネットには情報としてあふれている」ということばかりだとは思うのですが……
そんな中。
自分自身で色々と見つけていくというのは楽しいですね。
だいたいは見つけようとしないところで、見つかるものですが。
自分で見つけると、それが正解かどうか分からないことが多いですが、その正解かどうか分からない状態って結構、ニヤニヤする状態なんです(笑)
なんか面白いことに気づいたぞ、という感じで。
しかし、ネットや何かですぐに答え合わせをしてしまう私。(それが正しいかどうかは分からないですが)答えが分かってスッキリする代わりに、嬉しい余韻は消えてしまうことも。
さて。
明日は書写検定ですね。
受験される方は、お気をつけてお出かけください(^^)