成功する秘訣についての講演だった。
人や物にはそれぞれ振動数(波動)というのがあって、成功する人というのは振動数が高いらしい。(もちろん、斎藤一人さん自身も振動数が高いと言っていた)
その振動数によって、成功する人というのは何をやっても成功するし、成功しない人というのは何をやっても成功しない。
そして、その振動数を上げる方法を挙げて、他人と同じことをしていても成功しない、他人と違う価値のある人間になりなさいとも言っていた。
どこでどう学んできたのか、斎藤一人さんというのは、宇宙の法則や、この世の理といったものにとても精通した方なのだろう。
最後には、みんなで波動数を上げて、価値のある人間になりましょうと締めていた。
全体としては、とっても納得のいく内容の講演だった。
けれども、一人さんの「価値のある人間になりましょう」という呼び掛けの言葉は、直接的には、成功していないあなた達は無価値な人間ですよと言っているのと同じことだ。
それは、今のこの世の中の価値観で照らし合わせて見れば、本当にそのままなんだけれども、宇宙の法則や理に精通した人の言葉とも思えない感じもする。
まあ、今回の講演内容が「成功する」ということについてだったからなのか、どうなのか。
人間というのは、ドラマを求める。「成功」というのも、人生の中のドラマのひとつ。
どうせ生きるなら良い思いをしたいというのが人間の欲で、誰もが思うことだ。
そして、良い体験は価値のあることで、悪い体験は価値のないこと。
成功は価値のあることで、失敗は価値のないこと。
そもそもが、宇宙の理に「成功、失敗」という概念はない。
「成功」も「失敗」も、人間が創り上げた概念だ。
何もない、平々凡々な日常は無価値。
仕事が成功して、スケジュールに追われる忙しい日々、いろんなドラマがある日常は価値がある。
ほとんどの人がそう思っているんだろう。
私もそう。通常の変わり映えしない日常に何かドラマがあると嬉しくなる。
でも、それは自分が悲しかったり、損をしたり、怒りの感情が伴うものは嫌なんだけれど。(お得意のご都合主義。笑)
いろんなドラマより、何もない平々凡々な日常の方が飛び切りの価値がある。
私は、そういう風に感じられる人間の方になりたいなぁと思っている。