恋愛セオリーなんて誰が決めた 9 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。


有言実行で連れて行かれた天国


そのまま天使に会えないかしら、と思った所で悪魔の元へ舞戻されて現実に戻る。




一月ぶりの行為はすぐに感覚を思い出させてくれて、前回よりもずっと早く深く快楽を呼び起こしてきた。
前回は初めてだったし、色々追い詰められて極限状態だったとはいえ、一応「二回目」な訳だったのに・・・だ。


あんなに特別な事だと思っていた行為は、実際にしてみれば大した事のない欲求行動で。

結局こうやって慣れていくのよね



シーツの感触を感じながらぼんやりとしていると、寝室の扉が開いた。
視線だけ見上げると、憎たらしいぐらいに完璧な上半身を惜しげ無くさらしながら蓮がペットボトルのお水を手に戻ってきた。

「水いる?」
「・・・頂きます」

手を伸ばすと冷たい感触が掌に伝わり気持ちがいい。
急激に喉が渇いて、体を起こしてゴクゴクと飲み干す。


「あと、コレね」

その言葉と共にポトンと目の前のシーツの上に落とされたのは個装された数個のキスチョコ。
思わず見上げると、ニヤリと笑う蓮の顔と目があった。

「残念ながらおにぎりは無いけどね」



からかう口調に昼間の狼狽えてしまった自分を思い起こし、思わずムッとする。



だけど

・・・・・一応人としての最低限の礼儀は大事よね。相手が誰であれ・・・

自分で自分に言い聞かせ


溜め息をついて


蓮にペコリと軽く頭を下げた。


突然のキョーコの行動に蓮もキョトンとする。


「あの日はお水とおにぎりとチョコレートご馳走でした」



まあ、わざわざ買いに行って戻ってきてくれたんだし?
確かに起きてアレがあったのは助かったし?
その後起き上がれ無かったのを考えたら、貴重な食料だった訳だから!

奢ってもらって、それを当然の様に無視する事の出来ない自分の小心を自分で言い訳して、ほんっとうに不本意ながらしぶしぶと御礼を言ったというのに

この男と来たら


急に黙り込んだので何かと思ったら、肩を震わせて、堪えきれないと言うように吹き出したのよ!
「まさかそんな改めて御礼を言われると思わなかった」とか「そんなに気に入ったんだ?」とお腹を押さえて声をあげて笑う蓮に、恥ずかしいやら腹立たしいやら

顔を真っ赤にさせて、枕を投げつけてやったのだった






「君にとってもメリットはあると思うけど?」



一通り揉めた後、蓮は一つの提案をしてきた

「やっぱり我慢のしすぎはよくない」と


「この業界は意外と狭いんだ。下手にその辺りの女に手を出して本気になられたら面倒だし、プロに頼むのは気分が乗らないし」
「はあ・・・・・」


プロって何かしら・・・


ベットに寝転がる蓮の横で、もらったチョコを食べながらキョーコは気のない返事をした。



「我慢してまた暴走するのは得策じゃないだろ?」

「知りませんよ。そんな事・・・・」


この人の性欲事情なんて知るもんですか。

思いっきり顔に書いてあきれていると、蓮は「それに」と含みを持たせてぐいっと顔を覗き込んだ。

その視線にドキリとする。



「君、色気が欲しいんだろ?」



ピクリと単語に反応する。

あの日、キョーコの地雷の一つになった単語を蓮はよく覚えていた。



「女の色気は男に抱かれてつくんだよ」

「・・・・・・・・・・・へ?」



・・・・・・・・・・本当に・・・・・?



「本当。男を知って女は変わるって言うだろ?」



言うのかしら・・・・・・・言うかも・・・・・・


そういえば、椹さんも「最近かわいくなった」って・・・・もしかしてアレお世辞じゃない?そうよねあの人が私にお世辞言ったって仕方ないんだし、じゃあ、本当に・・・・??


ぐるぐる考え込む思考の中に誘惑が混ざる

色気あふれる男からの言葉だからこそ、その言葉は真実味を帯びていた。




「俺が君を女にしてあげるよ」





「色気が無いつまらない女」だと言われた。

「そんな気分にもならない、家政婦としか価値をつけられ無い奴だ」と。


少なくとも、この男は自分を「女」と扱ってくれる訳で


まだ慣れないとはいえ、正直・・・気持ちよかったのも確かだ



それで色気がつくのなら

何かが変わるのなら


元々もう恋愛なんてする気はないのだし、自分としても確かにメリットはあるかも・・・・



だったら・・・・・


「それに、今度演じる役は色々と精神的にキツくてね」
「え・・・・」


今度演じる役って・・・・カインの事?



「ガス抜きには丁度いいかなって」


ニッコリ笑いながら吐く鬼畜な台詞に、思わず「最低」と言いそうになったのは、仕方が無いわよね。

でも、そうね



確かにお互いそれぐらいの方が都合がいい



「こんな色気の無い女でいいんですか?」
「身体の相性はいいって言っただろ?それに」



君に対しては今更「敦賀蓮」でいる必要が無いから楽だしね。


確かに楽だったのは自分も同じだった。
すでに人生の一番どん底の姿を見られているのだ。

今更この男相手に取り繕う必要もないし。向こうも同じなんだろう。



むしろ腹立たしさを感じる男だったから、昔みたく「嫌われたくない」と顔色を窺う必要もなく、本音でぶつかれた。



「わかりました」



キョーコの返答はあっさりとしていたが、蓮もその答えをわかっていたかのように軽く笑っただけだった。

その笑みがあの時のカインとかぶって


どちらかというと、この人の本質はカインに近いのかも


だとしたら・・・・



思考は、蓮が再び覆いかぶさってきた事で途切れてしまった。



「じゃあ、契約成立を祝して・・・・・」



そういって、足に手をかけられてあとは蓮の思いのまま。

頭の片隅で、「もう一回も二回も三回も同じか・・」と思いながら、身体は何かを期待していた。




自分を壊してしまえとあの日カインは言った



あの日の行為が過去の愚かな自分を壊す為のものだったとしたら


さっきよりもずっと快楽を上手に得る事が出来る自分が、大人の女性への一歩の気がして、新しい自分になれている気がして、少し得意げな気持ちになった。



とは言っても、散々翻弄されて結局ぐったりとベットに沈むことになり、さっさとシャワーを浴びて来た蓮を恨めしく見ながらあそこまで行くにはまだまだ先は遠そうだ・・・と思わなくもない。

タオルで頭を拭きながら「そうだ」となにか思い出したように笑いかける




「彼氏ができたら教えてね。面倒は嫌だから」



どう考えてもにっこりいうセリフではないと思うが、もう今更だ



「恋人が出来たら教えてくださいね。修羅場は嫌なんで」




負けじと言い返すキョーコに、蓮はクスクスと笑う





さて、この時




いろいろな言い訳を自分にしていたのはどちらだったのだろうか





知らぬは本人達ばかり















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