欲 【上】 | KIRAKIRA☆

KIRAKIRA☆

こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。

※10万HITリクエスト!aooni様から頂きました☆



注】 蓮くんの浮気疑惑ネタです。苦手な方はリターン!感想は受け付けても、クレームは受け付けられません!!





土下座ってよく自分ではするけど、思い起こしてみると誰かがするのを見たことは無かったな




目の前の固まりを見ながら、キョーコはぼんやりとそんな事を思っていた。



でも土下座って日本の文化っていう人もいるけど・・・アメリカ国籍の「彼」には馴染みが無いものなんじゃないかしら




現実逃避を続けていた思考は、じゃあなんでこんな事になっているのだろう・・・という考えにいきついてしまい


今日の午後の邂逅を嫌でも思い起こした



『彼、貴女と別れたいけど同じ事務所の後輩だし、どう切り出していいか悩んでいたのよ。私も責任が無いわけじゃないしね・・・・・あえて憎まれ役を買ってあげようと思って』



わざわざ撮影現場まで来て投げつけられた言葉

自分とは違う人種の、いわゆる「大人の女性」



『昨夜もなかなか離れがたくて・・・ゴメンナサイ?』



ちっとも心のこもっていない謝罪



嘘だと



そう思いたかったのに




心当たりのある「昨夜」が頭から離れなくて


マンションに戻り、昨夜どこにいたのか改めて聞いて一緒に彼女の名前をあげた


「今日、モデルの莉果さんに会いました」


そう言った瞬間、敦賀さんは一気に青褪めて




今に至る



「ごめん・・・・今更だけど、俺の口からちゃんと言うつもりだったんだ・・・その・・・朝・・・に・・・」



そう言えば朝帰りした彼は、何か話があると・・・思いつめた顔でそう言っていて、それを時間が無いから帰ったら聞くと遮ったのは私だった。


そっか・・・・その話だったのか・・・・と


妙に冷静にそんな事を考えていた


「実は・・・何も・・・覚えていないんだ・・・打ち上げに参加した事は覚えているんだけど・・・目が覚めたら・・・その・・・」


昨夜が先クールのドラマの打ち上げだというのは聞いていた。

ここの所のハードスケジュールで、体が疲れているから早々に切り上げて帰ると言っていた彼が、結局朝まで帰ってこなかった事に不思議には思っていた



「・・・・・・・・・そ・・・の・・・・ホ・・・・ホテルに・・・・いて・・・隣に・・・莉果さん・・・が・・・・」


疲れた体が普段のアルコール許容量を遥かに下回ったのか、普段ではありえない量で酔いが回った事。

それでも席では必死に平静を保っていたが、逆に解散と同時に一気に酔いが回ってしまった事。

店を出て、酔いを覚まそうと水を買った所までは覚えている事を


ひどく言いにくそうに、ためらう様子の言葉は、聞いた話とは少し違ったけど


土下座なんてしているせいで、表情が見えない分・・・・もしかしたら役者の彼に騙されているのかも・・という考えすら浮かんでしまって



「ごめん!!キョーコを裏切る気なんて微塵も無かった!!だけど・・・本当にゴメン!!俺・・・覚えていなくて・・・・ッ!!!」



更に頭を下げる彼をぼんやりと見ていた




覚えていない様な無意識の行動だとすれば、やっぱり敦賀さんは普段から私に不満があったのかなとか


酔っての事だとしたら、敦賀さん本来の願望だったのかなとか



本当は莉那さんの言葉が正しくて、敦賀さんが優しい嘘をついているのかなとか





色々な考えが浮かんできて、鼻の奥がツーンとなった

混乱する頭で涙が訳もなく出そうになって、フラリと無言でその場を立ち上がった



「・・・・・・キョーコ・・・・・?」



困惑する敦賀さんの言葉に答える事も出来ずに、フラフラと置いてあった鞄を肩にかけると、そのまま玄関へとむかおうとした。



この場から


敦賀さんの傍から消えたかった


この場で


敦賀さんの前で泣きたくなかった





「ちょ・・・ッ!待ってキョ―コ!」


慌てた様な敦賀さんの声が後ろに迫ってきて、腕を掴まれた





・・・・・・・コノウデデ、アノオンナヲダイタノ・・・・・・?




そのぬくもりにすら黒いモノが支配して


猛烈な嫌悪感がせり上がってきて

思いっきり腕をふりほどいていた




「・・・・・ッや!触らないで下さい!!」




目を見開いて固まる敦賀さんに視線もあわせずに、逃げるようにキョ―コは部屋を出ていった。



後には、呆然と立ちすくむ蓮だけが残されていた。














敦賀蓮の担当俳優である社は、その日の朝は珍しく蓮のマンションへと迎えに行った。


蓮が長年の片思いの末に手に入れたキョーコと同棲をはじめてからは、二人を遠慮して・・というか、当てられるのを回避するために、現地集合や事務所集合にすることが多かったのだ


だが、今日は少し事情が違った


なんせ、昨日から連絡が取れないのだ。


ずっとハードスケジュールで、昨日は久しぶりのオフにしてやっていたが、その前日がドラマの打ち上げで結構周囲に呑まされていたしな。


どうしても事務所に戻らなければならなかった自分は、最後蓮を置いて席を抜け出す形になってしまったけど・・・


疲れた体にアルコールを摂取して、もしかして体調でも崩したか?


いや、でもキョーコちゃんがいるんだし・・・・・いや、でもそのキョーコちゃんも連絡がつかないんだよな~・・・




そんな訳で、直接蓮のマンションへと足を運んだ訳だが、着いてすぐに違和感を感じた


鳴らしても返答のないチャイム

合鍵を使うまでもなく、開いたドア


そして朝にも関わらずに電気のつきっぱなしの室内



「・・・・・・・・・・?蓮・・・・・・?」



人の気配を感じなくて、おそるおそる室内へと足を進めて行き、リビングを覗いてギョッとした。



ソファに背を預けるようにして、床に座り込んでいる担当俳優の姿と、その様子に


「れ・・・・蓮!?おま・・・ッ一体どうしたんだ!」


ボンヤリとした目は何も写していなく、一体いつからそこにいたのか、うっすらと無精ひげすら生えていた

体をゆすって、やっとその視線が自分に向いた時は心底安心した


「・・・・・社さん・・・・・・?」


同じく心底不思議そうに自分を見る視線と声に、一体どれだけトリップしていたんだと不安になった。



「ああ・・・・いや・・・・一体どうしたんだ・・・お前・・・・キョーコちゃんは?」



ぼんやりとした様子だった蓮は、その名前を聞いた瞬間、ビクリと体を震わせた。




「・・・・・出て・・・ま・・・・・た・・・・」



「え?」



「・・・・・・ッ!!!」






声にならない声に、社は呆然と目の前のうずくまる担当俳優を見ていた。












参加しています☆ぽちっとお願いします☆

↓↓↓




スキビ☆ランキング