向日葵の恋22 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。



会いたいと思っても、すぐに会えないのがお互いの辛い所で



いや、撮影では会えていて、でもゆっくり話も出来ないのもお約束で



桐崎さんと話が盛り上がって、更に3日後




やっと、敦賀さんのマンションで会う約束を取り付けられた。







「よかったな、思いのほか早く終わって」

「・・・・・・そうですね、仕事がスムーズにいくのは気持ちがいいですね」


助手席でニヤニヤと目を三日月にさせる社に蓮はいたって冷静に返した・・・つもりだった。


「そうだよな~、朝から何度も携帯をチェックして、そわそわして、移動の度に時間を何度も気にしていたもんな~。そりゃあ、早く終わってホッとするよな~・・・」


・・・・・・どうやら全て筒抜けだったらしい。

何も言っていなかったのに、全くこの人には頭が上がらない・・・。


「キョーコちゃんもう来ているのか?」


しかも、原因まで断定形だし・・

もう、ここまで来ると隠す気もなくなって来るな・・とはいえ、社さんには散々協力してもらっているから今更だけど。

溜息をついて白旗を上げた。


「ええ。先ほど着いたと連絡がありました」


「共演中とはいえ、ずっとすれ違いだったもんな~、その前はお前キョーコちゃんに避けられていたし。でも、いきなりガッツクなよ。お前”お預け”中なんだからさ~」



良かったなと喜んでくれているのか、遊ばれているのか、からかわれているのか、よくわからない社さんの台詞を延々と聞きながら、俺はマンションでまってくれているキョーコの事だけを考えながら、ひたすら耐え続けるハメになった。







「おかえりなさい!!」


ドアを開ける音に気付いたのか、パタパタと玄関まで迎えてくれるキョーコに自然と頬がゆるむ。

ここ2・3日彼女の顔がずっと明るいのは気付いていたけど、こう笑顔満面で迎えられると、嬉しい反面、理性を保つのに少々努力を必要とするというか・・・・


正直自分の理性に自信がないから、”お預け”を宣告されてから彼女には抱擁やキスも含めて触れるのを自粛していた。まあ、色々バタバタしていてそんな雰囲気になれなかったというのもあるけど。


よく考えれば、彼女と身体を重ねるようになってからここまで触れない期間が空いたのは初めてだ。


大丈夫かな・・・俺・・・・・



いや、ここで理性を決壊させたら元の木阿弥だ


とにかく無心で・・・・



「予定よりもはやかったんですね」

「うん、思いのほかスムーズにいってね」

「・・・・・早く会えて嬉しいです」


頬を赤めながらポツリという台詞に、ぐらり・・・と何かが揺れるのを感じた



・・・・・・試されて・・・・いるんだろうか・・・・本当に・・・どうしてくれよう・・・・!!!


いやいや落ち着くんだ。


彼女の無自覚な爆弾はいつもの事だ


深い意味なんてない


そうだ






彼女の手料理を食べながら話すのは現在の撮影の事。とりわけ、キョーコは最近桐崎さんととても仲がよくなった。先日も一緒にランチデートをしたと嬉しそうに話している。

先日の一件で取り繕う必要が無くなったのか、開き直ったのか、桐崎さんも少し雰囲気が変わったとは感じている。

とはいっても俺に対してはあまり変わらないけど、それでいいと思う。


俺たちは似たもの同士過ぎるから、あまり近すぎると自己嫌悪を引き起こしてしまう。


だから俺はキョーコを求めるし、彼女にとってはそれが相川くんだったんだろう



もっとも俺は別にもっと深い凶暴な闇を抱えていて、杏美はそれがある事さえ徹底的に無視をした。そうすることで、あの短い交際を平穏なものとした。



気付いて、恐怖しながらも触れてくれたのはキョーコだけだった。



キョーコが包み込んでくれた。




キョーコじゃなきゃダメなんだ





どうあっても彼女を手放せたりしない。




だから、彼女のそばにいる為ならなんだってする



自分の欲望を押し付けたりはしない







「もう遅いし、送るよ」



食後にちょうど放送された『COOL』を見て、感想を言い合って、時間もちょうどよくなってきた頃に車のキーを持って切り出すと、彼女が「えっ」という顔をした。

その表情になんとも言えなくなる。確かに、いつも帰ろうとする彼女を無理に引きとめるのは自分だけど・・・・


「明日学校だろ?」

「えっと・・・今日泊めて頂いても・・・・」


もっともらしい事を言えば赤い顔で上目づかいで言われて、先ほどの決意が早速ゆらぎそうになる。


いやいや、ダメだろう。



「・・・・・いや・・でも・・・」


しかし、どう言えば・・・

まさか、襲いそうになるから泊めるのはちょっと・・という訳にはいかないし

というか、恋人になってまで彼女の無自覚爆弾で悩む日が来ようとは・・・・!



困っていると、キョーコはこれでもか・・・というぐらい真っ赤になっていった。



「あの・・・・そのですね・・・・・・・て下さい・・・」


「え?」


「・・・・・・・・ん・・・てください・・・」


「ごめん、キョーコ聞こえなくて・・・何?」


全身真っ赤にしながら呟く声が聞こえなくて、声を拾おうとかがんで耳を近付ける。

すると、真っ赤になりながらも目に涙を浮かべて、キョーコがキッと俺を見上げた。「イジメッコ」と口が動いたような気がしたが、次に言われた言葉に思考が全て持って行かれた。



「~~~ッ!!!”お預け”を解消させて下さい!!!」





ああ、きっと俺は今ものすごく間抜けな顔をしているんだろうな・・・・。












桐崎さんに言われた言葉が頭をグルグル回っている



「言葉にするのって大事よね。でも、いくら言葉にしても伝えきれない時もあると思うの。こんなに好きなのに!ってもどかしく思ったりね。そんな時は、肌で確かめ合うの。どんなに言葉にするよりもお互いの存在を感じて、それで通じる事もあるんだと思うわ」




今まで、恥ずかしさとかいたたまれなさとかが優先されていたけど、貴方が私に与えてくれるのと同じだけ、ううん、それ以上の想いを貴方に返したい。


貴方に伝えたい。



そう思ったら、我慢なんて出来なくなった。




貴方が欲しい











やっぱり・・・次は限定になるのかしら・・・書けるかな~・・・