３５年も前のインド放浪旅の思い出
１９歳から放浪旅を始めて、北海道、沖縄、アメリカ
ペルーと、ひとりで現地に何ヵ月も滞在する旅の
仕方をしてきた私。
相方とふたり 無期限でインドへ 旅に出た！！
今回で、この放浪旅の思い出も
いよいよ完結！！
インドの西、マハーラーシュトラ州・プーナで
自宅出産
を、経験したワタクシ達。
放浪の旅の途上で子どもを授かるなんて、さすがに
予期せぬ出来事だったけど、その娘も
まもなく
生後４ヶ月
わたし達も、もうそろそろ
不法滞在のこの身
を、何とかせねばと思い始める。
妊娠を理由に滞在を決め込んでいたので、長くなれば
なるほど、出国の際にモメる可能性は高い。
そこで
覚悟を決めて
いざ地元の
警察へ
「デパーチャースタンプ」という「出国許可印」を
貰いに行くのである。
空港から出国する時、これがパスポートに押されて
いさえすれば、ビザが切れていても問題なくインド
から出られるのだ。
しか～し、、、
一度、滞在延長を拒否されているわたし達。
いくら子どもが無事産まれたました～と、ニッコリ
微笑んでも、署長さんが
「やあやあ、おめでとう！！はい、どうぞ！」
と、機嫌良くスタンプを押してくれるわきゃない。
またまた
交渉と相成る
インドを旅していると、この交渉次第という場面が
ホントに多い。
欲しいものを適正価格で手に入れたい時。
こちらの要求を通したい時。
理不尽な行いに対処する時、、、などなど。
時間をかけて話し合い、時には声を荒げ、時には
泣き落としと、何度インド人とやりあったことか。
（このあと訪れたインドネシアも、インドを上回る
相当な交渉の国だったけど）
これが面倒と思うなら、インドの旅は楽しめない！と
言っても、過言ではなかろう。
今回は、とてもセンシティブな問題なので、わたし達も
紳士的に
交渉しよう
と、友人に英語の通訳として同行してもらうことに。
なんでも、先の政府の「不法滞在者一斉清掃」問題は
地元警察にもかなりの負担だったようで、当時の署長
が過労で自殺したそうな！！
さてさて、、、
４ヶ月になる娘を抱いて
警察署長に
面会する
インド人は皆、子どもには親切なので、始終なごやか
ムードだが、数分でものの見事に
交渉決裂！！
う～～～む、やっぱりね。
こちらも粘り強く話合うが、結局最後は
いくら払うのか！？
が落としどころに。
え～、またそれ～～
ちっとも
センシティブ
じゃないじゃん
あちらは、デパーチャースタンプ
ふたりで４０００ルピー
を堂々と要求！！
ハァ～～、あまりに高いゾ。
もはやわたし達の感覚は、旅行者ではなく
生活者
なんである
リキシャに乗るのにも、現地値段に交渉するのに
そう簡単に、権力者の言いなりになっていては
リキシャのお兄ちゃんに、申し訳が立たない。
確実に向こうはふっかけて来ているので、こちらも
弱気になる必要などない。
わたし達の要求を、通訳の友人にお願いする。
が
あまりに紳士なその友人は
「そんな恐ろしいことボク言えない！」
と、何気に拒否するじゃないですか！！
うそ～～ん
こうなったら、大阪出身の私がまたもや
つたない英語で
値切りの交渉
署長の顔色を伺いながら
「ふたりで２００ルピーじゃダメ！？」
「はあ～～？？
今すぐ、とっとと空港へ行け！！」
「あっ、ゴメン！ ちょっと待って。
んじゃ、そうね～」
なんて会話を繰り返し
デパーチャースタンプ
ふたりで４００ルピー
の、交渉成立を勝ち取る！
なんと、最初の値段の１０分の１である
ナゼか、やれば出来るもんなのだ。
そこが、インド人の不思議かつ面白いところ！！笑
晴れて、わたし達は
１年半ぶりに
空の人
４ヶ月の娘を連れて、タイから陸路でシンガポール
まで下り、船でインドネシアのジャワ島に入り
バリ島まで旅をし、再びタイからインドに入国。
そのあとも、娘は２歳になるまでに
９回も飛行機
に乗った！！
この時の旅も、めっちゃいろんなことがあったけど
書き出すと終わらないので～笑
アテナの作った大理石の中庭にて
ミスティックローズの打ち上げで薔薇食う娘！笑
プーナに戻った時
娘は８ヶ月
になっていた。
お隣のハットのドイツ男アテナに毎日抱っこされ
皆に愛され、病気ひとつせず、スクスクと成長。
わたし達も子育てをメインにしながら、アシュラム
考案のさまざまなセラピーに、精を出す毎日。
中でも
ミスティックローズ
という３週間のセラピーは、とてもパワフルで美しい
圧巻の瞑想だったな。
もういちど、受けてみたいな～と今でも深く心に
残っている。
相方は、長期でアシュラム式ボディワークを習い
わたしはその間、娘とふたりでゴアで過ごしたり
もした。
アシュラムを拠点にしたプーナでの生活は
気がつけば
３年を過ぎていた
そんなある日
アメリカ在住の日本人女性Ｍさんと親しくなり
「イスラエルに古くからの友達がいるので一緒に
行かないか！！」
との誘いを受ける。
わたし達は、そろそろインドを後にして
イスラエルから
ヨーロッパ
へと向かうことを、夢想する。
しか～し、、、
時はちょうど
湾岸戦争
の直後
娘が産まれた１９９０年８月、イラクがクウェート
に侵攻したのを発端に、アメリカを中心とする
多国籍軍が、１９９１年１月にイラクを空爆。
連日連夜、爆撃の映像を、町のテレビで皆で見る。
まさに映画のような映像だが
これは、リアルタイムで
近隣の国で
起こっている
現実
なのだ。
Ｍさんが先にテルアビブに飛び、現地の情報を
伝えてくれるが、やはりイスラエルは、混乱状態
が続いており、多くのユダヤ人が帰還して
物価が
高騰している
と言う。
追い討ちをかけるように、イスラエル行きの飛行機
チケットを頼んだエージェンシーの親父さんが
敬虔なムスリム
であることが判明。
「この時期にイスラエルに行くヤツは悪魔だ！！」
と、コーラン片手にさんざん怒鳴られる始末。
もはや、チケットどころの話ではない。
Ｍさんに
「それじゃあ、自分の住むニューヨークにぜひに！！」
と誘われるが、以前ニューヨークに行った事がある
私は、彼の地で子どもを育てる自信も正直持てない。
無理して旅を続けて
小さな子どもを危険な目に遭わせることにでも
なったらという思いと
まだまだ世界を見て周りたい！という思いが
交差する。
逡巡しているうちに、ビザの期限が迫り
ひとまず
お馴染みの
タイへ出国
タイの人里離れた別天地の島で、子どもを
遊ばせていると、もう
気ままな
放浪旅は
終わる時期
なんだな～と、素直に思えた。
こうして、わたし達の
丸４年にもなる
インド放浪旅
は、終わりを迎えたのであ～る。
日本を未だ知らない２歳の愛娘を
連れて
今度は
３人で日本へ
はじまりの旅
さて、、、
東京に戻ったわたし達は、今度は腰をすえて
子育てをするための場所探しに。
縁あって
高知県の
山奥の村
東津野村
に移住。
今度は
山奥自給自足もどき
ヒッピーな生活
を、１０年間送るのだが
その話は
また機会があれば！笑
※２０１４年に書いた記事をリニューアルしてお届けしてます。
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